建設業許可のことなら、神山和幸行政書士事務所へ(和歌山県)

建築工事業と大工工事業

建築工事は、土木工事とともに、「一式工事業」と呼ばれています。
「総合工事業」と呼ばれるのだ、という解説も一見して成り立つようにも思えますが、「総合工事業」は、一式工事と専門工事すべてができること指すのだと私は解釈しており、そういう意味で我が国の総合工事業を名乗れるのは大手2社のみであると思っております。

さて、建築工事とはどういう業種なのかを簡単に解説していきます。
建築工事業は、1,500万円以上の「建築一式工事」を請負うのに必要となる許可業種ですが、1,500万円以上の建築一式工事でも、延べ面積150㎡未満の木造住宅に関する工事は、軽微な工事として扱われるため、建築工事業の建設業許可を受けていなくても請負うことができます。

建築工事(建築一式工事)

1.建築工事の定義
「総合的な企画、指導、調整のもとに建築工作物を建設する工事」のことを建築(一式)工事といいます。
 
2.例示
戸建新築工事、共同住宅新築工事、ビル新築工事、商業施設新築工事、建築確認を要する増改築工事
以上の工事を「一式」で請け負うのが「建築工事」です。
なお、都道府県によっては、「一式工事は元請業者に限る」などといった規定もあるようです。
 
3.注意点
あくまで建築一式工事を請け負うための許可であり、建築一式工事の許可で専門工事を請負うことはできません。例えば「内装仕上工事」のみを請け負う場合は「内装仕上工事業」の許可が必要です。
 
4.必要な資格(専任技術者)
※特定建設業の専任技術者になれる(または監理技術者)業種◎
1級建築施工管理技士◎
2級建築施工管理技士(建築)
1級建築士◎
2級建築士
監理技術者◎
※特定建設業の場合、1級しか認められない(監理技術者資格者証の「建築工事業」に数字が記載されている必要がある)。
実務経験者(原則10年以上)


大工工事(専門工事)

建築工事とよく混同される工事の一つとして、「大工工事」があります。
大工工事は「専門工事」のひとつであり、次のように定義されています。

「木材の加工又は取付けにより工作物を築造する工事・工作物に木製設備を取付ける工事」 
 つまり、木材を使って建物を建設する工事に限定されているので注意が必要です(ただし、付帯工事と見なされる場合等を除く)。

 また、たとえば木製のドアを取付ける工事等は大工工事ではなく「建具工事」に分類されることにも注意してください(ただし、付帯工事と見なされる場合等を除く)
 住宅を1件建てるには、大工工事の許可だけでは不十分です。建築工事の許可を持つ元請業者から下請として大工工事を請け負う業者向けの許可となります。
 大工工事業の許可を取るためには、下記の資格を持つ技術者を専任せねばなりません。

一級建築士◎
二級建築士
木造建築士
一級建築施工管理技士◎
二級建築施工管理技士(仕上げ)
一級技能士(建築大工・型枠施工)
二級技能士(建築大工・型枠施工)
※二級技能士の場合、合格後3年以上の大工工事業の実務経験が必要。
実務経験者(原則10年以上)(実務経験は以下略)
監理技術者資格者(大工)
 
 ご覧になればお分かりのように、建築工事と大工工事の専任技術者要件は一部重複しており、建築工事の許可を取得する場合は大工工事などと一緒に取得するケースが多いようです。