和歌山県の農地・土地関係に関する手続なら、神山和幸行政書士事務所へ

RSS

農地に関する契約書について


農地を取引するための許可申請を提出する際に意外と忘れがちで、後で慌てることになるかもしれない書類のひとつに、「農地の権利に関する契約書」はあります。所有権移転や使用権(賃借権)設定の契約書を交わす際には、停止条件付の契約書にすること。また期間に気を付けてください

 農地を転用する際には、農業委員会あるいは都道府県の許可が必要ですが、申請から許可が下りるまでにはある程度の期間が必要です。その農地が農用地区域である場合は農振除外の申し出をしてから許可申請となり、他法令に抵触する場合にはその法令の許可を取得する必要があります。許可を得ないで契約しても、不許可になればそもそもその契約は無効です。
従って、農地に関する取引には、許可の取得を条件とした(停止条件)内容の契約書とすることをお勧めします。なお、賃貸借契約書の場合に、自動更新の定めがあっても、許可申請時には、具体的に終期を定める必要があることにも留意していただければと思います。
まとめ「農地に関する取引の契約書」には、
①停止条件付
②①の停止時期
③賃貸借契約書の場合は終期(自動更新の定めがあっても、許可の再取得が必要)

以上のことを踏まえない場合、原契約の内容変更の契約書を交わせば、それでよいのですが、手間がかかります・・・。




 
2024-05-19 21:28:38

新規に農業を始めようかな・・・の前の注意点


昨年(令和5年)4月施行の改正農地法により、新規農業参入のハードルが下がりました。下限面積の制限が削除されました、つまりまったく農地を所有していない方々でも、農業を始められるようになります
コロナ禍の影響で、在宅ワークが進み、通勤せずに自宅で仕事する業種が増加したことで、時間的に余裕が生じ、それを期に農業を家庭菜園感覚ではじめてみようという方が増えましたが、その障害のひとつとして、「下限面積要件」というものがありました。
下限面積要件とは、農地を取得した後の合計農地面積がある一定の面積以上でなければならない、という規定です。

下限面積要件撤廃により、家庭菜園感覚で農業を始めてみよう…と思っている方々も多いと思われます。
ただし、農業参入にはまだハードルが残っていることに留意する必要があります。
それでは、そのハードルとはなにか、について簡単にご説明しましょう。

① その他の要件は遵守する必要がある
(農地法)3条許可申請の基準と手続」でもご紹介した通り、下限面積以外の要件は維持されますので、それらは遵守する必要があります。農林水産省としては、下限面積を撤廃した理由は「農業従事者が減少していることに歯止めをかける」ことです。せっかく下限面積を撤廃し許可しても、農業を続ける見通しがなければ意味がありません。農地を無駄なく、世帯全体で効率よく農業に従事し、周辺の農地への影響がないことが必要となります。

②三条許可を得てすぐに転用できない
三条許可を得ると、所有権などの権利が移転します。その直後に転用をすることは、農地法の主旨に反します。そのような
転用は違反転用とみなされ、許可は取り消されます。おおよそ三年は最低限農業を続ける必要があります。

③営農計画書に沿った農業に従事する。
新規に農業を始める場合、許可申請の添付書類として、「営農計画書」というものがあります。
その計画の通り、農業を続ける必要があります。

このように、農地法の下限面積要件以外の要件は維持されますので、三条の許可を得る前にしっかりとした営農を進めてください。

(補足)
①農業参入資金は十分ですか?
農業を始めた方々から話を聞くと、営農当初はすぐに資金が底をつく危機が何度も訪れたということです。(この話は農業以外の事業を始めるのにも共通しますが)特に農業は自然相手に進める事業なので、その点をしっかりと留意して計画を立てましょう。
②農地は確保できてますか?
③農業用機器は確保できてますか?
①、②の確保ができたら、営農計画に沿った農業用機器・設備を確保する必要があります。事業が軌道に乗るまでは、中古でも構いません。
④栽培の指導を仰ぐ信頼できる先輩を確保してますか?
最終的に全責任をとるのはあなた一人(あるいは家族・世帯)です。ただ、何らノウハウもなく農業を始められるのは難しい(近年はインターネットで情報を得られる場合もありますが)。地元の農協には農業指導員もおりますし、購入農地の近隣に農業従事者の先輩方がおられましたら、心強いです。農地法では、周辺農地の影響がないことも条件の一つとなっておりますので、積極的に指導を仰ぎましょう。
2024-04-19 19:00:00

農業振興区域の整備に関する法律(農振法)の一部改正が施行


農業振興地域の整備に関する法律が、令和4年改正され、令和5年4月1日に施行されました。
農用地区域内(いわゆる青地農地)に住宅や駐車場を建設・造成するとき、農用地区域から除外してもらわないと、そのままでは農地転用はできませんが、我が国政府は、食料自給率を何とか確保・向上させるべく優良農地を確保する目的で、農振除外の手続をさらに厳格化しております。
簡単に言えば、農振除外の条件を厳格化しました。農地の担い手の確保のため、農地の利用集積に支障があると判断されると、農振除外はできなくなりました。特に農業振興用施設については、真に地域農業振興の目的であるかどうか厳しく判断されることになります。
農地転用許可申請をお考えの方はまずはその農地が農用地区域内の農地なのかどうかをご確認ください。当事務所ではご依頼を受け、その転用対象農地がどのような農地なのかをまず確認することとしております。
2023-12-02 14:43:00

和歌山県「農地法関係事務処理手引き」の改定について


改正農地法の施行(令和5年4月より)に伴い、和歌山県「農地法関係事務処理手引き(以下『改訂版農地手引き』という)」も、それに対応するよう改正(改定前の手引きは平成29年3月に公開)されました。
詳細については、以下より最新版をご覧ください。
ここでは改正のポイントを解説します(令和5年8月現在)

1.「農地転用許可と太陽光発電事業の実施に関する条例認定との調整要領」の追加
→平成30年6月より、和歌山県内で50kw以上の太陽光発電設備を設置するには、和歌山県による認定が必要とされています。今回の『改訂版農地手引き』により、
①  農地法許可申請は、「太陽光発電事業の実施に関する条例」第6条の「事業計画の公表」以降に受け付けるものとすること。
②  農地転用許可は太陽光発電事業の認定と同日とすること。
が明記されました。
 
2.農業用等施設の詳細な説明を追加
 第1種、第2種、甲種農地にて、「例外的許可」の要件3「農業用施設、農畜産物処理加工施設、農畜産物販売施設(令第4条第1項第2号イ))の具体的要件に追記がありました。
 具体的には「駐車場、トイレ、更衣室、事務所等」で、当該施設等と一体的に設置される場合には、農業用施設等に該当します。
 
他、転用許可申請書の押印不要(記名で可)など、細部の改正が行われました。
ただし、転用許可申請は、各市町村農業委員会が窓口です。農地の転用については、各市町村農業委員会に問い合わせるか、当事務所まで。
 
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070100/nouchihou.html
2023-08-07 15:36:46

(改正情報)農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律 令和5年4月より施行


「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」が公布され、本年4月より施行されます。農地取得の4要件の一つである、「下限面積」が撤廃されます。ただし、他の要件は廃止されることなく継続されますので、ご注意ください。他の要件につきましては。こちらをご覧ください。

2023-02-11 09:54:06

1 2 次へ