和歌山県内の太陽光発電事業認定申請なら神山和幸行政書士事務所へ

高圧太陽光発電設備設置(和歌山県)について

和歌山県では、一定の発電量を超える太陽光発電設備の設置には、独自の県条例による認定が必要です。
認定を受けるまでには、様々な手順を踏む必要があります。

①事前協議
②事業計画の公表
③各土地(農地など)の許可申請→許可を得る
※ただし、農地を転用するには、農地転用許可申請をする必要があり、しかも認定と同時許可。

◎認定後にも様々な義務があります。

以下、少し説明が長いですが、お付き合いください。

和歌山県 太陽光発電事業認定申請 事前準備

太陽光発電事業認定申請事前協議について

和歌山県下で太陽光発電事業を行う場合、次に該当するときは和歌山県知事の認定を受けなければなりません。
◎太陽光パネルとパワーコンディショナーの合計出力50Kw以上の太陽光発電設備を設置し発電する事業
※ただし、建築物の屋上等に設置されるものを除きます。
※また、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」などの欠格要件があります。

「50kw以上」の判定
 太陽電池パネルとパワコン(パワーコンディショナー)の出力合計で判定します。
 パワコンを複数台設置している場合の出力については、各系列における太陽光パネルの合計出力とパワコンの出力のいずれか小さい方の値を、それぞれ合計した値とします。
 和歌山県の太陽光発電事業認定申請事前協議の流れ


1.事業計画(初回)の作成準備

 事業計画については、計画地が以下の法令に抵触していないか確認する必要があります。仮に抵触している場合、許可を取得すれば認定可能になる場合もありますが、できれば抵触
していない土地を選定する方がスムーズに事前協議が進められます。
①都市計画法
②砂防三法(災害危険区域・ 地すべり防止区域・ 土砂災害特別警戒区域・ 急傾斜地崩壊危険区域・ 浸水被害防止区域内に位置していないか)
③景観条例
④その他
・埋蔵文化財の有無
・消防法令への対応
・自然公園法による特別地域に含まれていないかどうか

⑤ 農用地区域である場合の、農振除外の申し出
⑥ 農地法
※なお、計画地が農地である場合、農地転用の許可は認定後に許可されますが、まれにタイムラグが発生することがあります(海南市を除く)。

2.環境アセスメントの準備
 太陽光発電設備設置・運営・廃止等では環境への配慮が必要です。
①設置工事に伴う騒音・振動・粉じん、造成工事に伴う水の濁りや生態系への影響など
②太陽光発電の稼働中による土地の安定性への影響、動植物・生態系の影響、景観や人と自然とのふれあいの場への影響
③太陽光独特の影響(反射光・パワコンの騒音等)
④太陽光発電廃止での廃棄物
⑤文化財への影響


申請事前協議(和歌山県条例・太陽光発電事業認定申請)

事前協議書

3.地元住民との関係構築

 太陽光発電設備で欠かせないのは地元住民との関係構築です。地元説明会は事前協議終了後に行うものですが、計画段階から地元住民とコミュニケーションをとる必要あります。特に、不認定の原因となっているのが、住民とのコミュニケーション不足による反対意見の続出があげられます。地元住民とは、計画前の段階から計画を説明できるような体制を整えましょう。

 4.計画図面の作成(準備)

 事前協議中では、細かなモジュールの配列などが問われますが、県庁との事前相談の段階では、計画図の下書き等を少なくとも持参する必要があります。
 モジュールとそれを支え架台、キュービクル、排水設備等、配列構想を図面に落とし込みましょう。ただし、景観への配慮も忘れてはなりません。協議対応報告書や景観の届出の際には、各設備のマンセル値の検討も必要となります。

5.事前協議書提出

 4.までの準備が整ったら、事前協議書を提出します。

 (主な書類)
①事前協議書
②位置図(ゼンリン地図など。計画地に朱線)・求積図・計画図(平面図・造成図・断面図)
③パネル架台の強度を示す書類(架台の構造強度計算書・地盤強度計算書・カタログ等)
④パネル・パワコン等のカタログ(マンセル値を示す書類必須)
⑤完成予想図(パース図)と現状の現地写真
⑥環境アセスメント実施予定を示す一覧表
⑦公図・土地登記簿謄本・売買契約書
⑧法人の場合は登記簿謄本と定款/個人の場合は住民票
⑨FIT 法に基づく認定通知書の写し等
※非FIT(一般電力会社による買取制度に寄らない)太陽光発電設備を設置する場合、パネルとパワコンの合計出力の分かる書類が必要です。例 発電量調整供給契約など。


太陽光発電事業認定申請について

事前協議~認定まで

6.関係部署・自治体との折衝
 事前協議書提出後、関係部署・自治体に回覧され、協議事項通知書により、関係部署・自治体の協議が必要なのか、その内容等が示されます。その内容に沿って協議を進めて必要となる書類(図面・調査書等)の作成を進めます。
 この作業はとても重要です。この後に事業計画の公表→本申請に移りますが、すべてこの作業内容が反映されることになります。
 なお、事前協議終了後に、パネル仕様が大幅に変更されたなど、事前協議内で提出した図面と異なる内容となった場合は、事前協議をやり直す必要が生じることがありますので、慎重に進めてください。

7.事前協議の終了
 事前協議がすべて終了しましたら、協議事項対応報告書を作成・提出します。
 提出書類は、5.の書類に加えて、変更箇所の有無・別記第1号様式(計画を簡略にまとめた書類。計画概略・造成・設置・維持管理・廃止・その他の事項)、排水計画図、環境影響調査報告書等です。また、協議の結果、新たに提出する書類も含まれます。部数は協議事項通知書内に示された通りです。
※協議事項対応報告書についても、協議申出6と同様に関係部署・自治体に回覧され、その結果再協議通知書が送付される場合があります。

8.関係自治会への説明
 具体的な説明はこの段階です。ただし、事前協議段階ではすでに自治会の責任者と折衝し、説明会の開催・内容等を詰めておく必要があります。説明会を開催する必要があるのか、代替手段によるもの(回覧or影響のある住民宅への個別訪問)なのかとその範囲については、県・自治会責任者と協議します。

 9.事業計画の公表
 8.とは別に、広く意見を募るために、事業計画を公表するとともに、申請者自身でその概略を説明する必要があります。具体的には申請者のホームページなどの方法があります。
 なお、県においても、認定申請後に事業計画を縦覧します。
 また、事業計画を公表したら、和歌山県、関係自治体、関係自治区に通知しなければなりません。

10.認定申請書の提出



太陽光発電事業認定申請から認定までの流れ 神山和幸行政書士事務所(和歌山県)

 事業区域が和歌山市内の場合は県庁環境生活総務課、それ以外は各所管振興局健康福祉部へ提出します。部数は環境生活総務課の指示によります。
※添付書類(一例)
① 事業計画及び添付書面
② 説明会を実施したことを証する書面
説明会の周知方法(周知チラシ)、説明会で使用した資料、議事録等を添付。
③自治体との協議の結果の内容を記載した書面
④申請者が法人である場合は定款又は寄付行為及び登記事項証明書(申請人が個人で
ある場合は住民票)
⑤欠格要件(条例第11 条第2 項各号)のいずれにも該当しない旨を誓約する書面
⑥ 環境影響評価に関する図書
⑦ その他知事が必要と認める書面・・・農地転用許可等を申請し、その受付印の写しを添付します。また、他の申請・届出も同様。
 
※認定手数料 47,000円
 

11.認定・不認定の決定
 認定申請後、縦覧期間内に関係自治会や関係住民(利害関係を有する者)より意見を募り、関係市町村に意見を徴収します。その意見に対する見解書を提出する必要も生じます。 
 縦覧期間終了後、県は市町村長や関係住民の意見及びその意見に対する事業者の見解を踏まえ、事業計画の内容が「認定基準」に適合しているかどうか審査し、認定・不認定を判断します。なお、必要に応じて有識者からなる和歌山県太陽光発電事業調査審議会に意見
を求めることがあります。県より条件を付す場合もあります。

12.認定の公表
県は、申請のあった事業計画を認定したときは、次の事項について県ホームページで公表します。
① 事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
② 事業計画に定める太陽光発電事業の内容及び実施時期
③ 事業計画に定める事業区域の位置

費用について

設置場所や規模によって大きく前後します。
事前協議前に必要とされる手続を想定し、お見積もりいたしますので、以下の資料をお願いいたします。

①位置図・現況図、近隣の見取り図【ゼンリン地図、地形図)・航空写真
②計画図・設計図
③登記簿謄本・公図
④経済産業省による「再生可能エネルギー発電事業計画の認定書」

環境影響調査、地盤調査について

事前協議書を提出する際、あるいは前段階で、「環境影響調査」と「地盤調査」が必須です。

※環境影響調査も地盤調査も当事務所では請け負えません。専門調査会社・コンサルタントをご紹介できます。

認定後の手続

認定後の手続について

①工事着手届・完了届
工事を着手する前に、工事着手届を提出しなければなりません。
また、工事が完了した後は、遅滞なく工事完了届を提出しなければなりません。
※認定された事業計画と異なる工事をしたときは、工事停止命令の対象となります(条例第14 条第 1 項)
また、工事の停止命令をした場合は、その旨を公表します。(同条第2項)。
※工事完了後、その工事の確認をすることがあります。

なお、火災予防条例の対象となる施設については、工事着手前に届出、工事完了後、検査を受ける必要があります。


事業の廃止

太陽光発電設備には、原則的に耐久年数があります(事業期間はおおよそ20年~30年ほどといわれています)。
事業期間が満了したら、速やかに原状に戻し、その旨を届け出ます。