和歌山県の墓地・霊園に関する許可手続なら、神山和幸行政書士事務所he
墓地経営許可申請について
霊園、共同墓地など、新たに墓地を経営しようとする場合、都道府県知事(又は指定都市・中核市等の首長)の許可を受けなければなりません。
これは墓地等の区域の変更・廃止の場合も同様です。
(1)墓地等の経営許可申請の流れ
①墓地等の経営許可申請・・・関係部署の協議を経て、墓地等の経営の許可を申請します。 ②墓地等の工事・・・申請した通りの、墓地等の新設工事を実施します。 ③墓地等工事完了届・・・工事完了後、速やかに墓地等の工事が完了した旨の届出書を提出します。 ④墓地等検査確認済書・・・所轄部課による検査で工事完了の確認後、墓地等検査確認済書が交付されます。
(2)墓地等設置の要件
ア.基本的要件
①経営主体・・・墓地等を設置することができるのは、地方公共団体、もしくは宗教法人等です。ただし、小規模(20㎡を超えない幡位)の墓地を運営する場合、例外として認められる場合があります。 ②墓地管理規程の作成・・・なお、宗教法人等の場合は規則等に墓地の経営が事業として決められていることが必要です。 ※宗教法人規則を変更し、墓地等の経営を事業に盛り込むためには、墓地の経営許可を受けていることが必要です。つまり、墓地等の経営許可も宗教法人の規則も双方が双方を要件としているので、注意が必要です。この場合、同時期に申請をするために、異なる所轄庁同士で足並みをそろえてもらう必要があるため、そのための協議が必要なのです。
イ.基準
墓地等を設置するには、次の基準をクリアしなければなりません。 ①墓地等を設置する土地は自己所有の土地でなければなりません。 ②その土地が農地、林地等の場合は特に、必要な許可を受け、地目が変更されていなければなりません。また、他法令に規制のある場合には、それをクリアし、必要な許可を得ていることが必要です。 ③人家及び公共施設などから100メートル以上(火葬場の場合は300メートル以上)離れた場所でなければなりません。 ④飲料水の汚染のおそれがないなど、公衆衛生上支障がない土地でなければなりません。 ⑤原則として災害の防止に障害がない土地でなければなりません。なお、立地要件は⑧以下の通りです。 ⑥納骨堂の場合、その寺院や教会の境内あるいは火葬場の敷地内でなければなりません。 ⑦申請に先立ち、説明会を開催し、かつ墓地の経営等の計画の周知が得られていなければなりません。なお、付近に地方公共団体が経営する墓地がないなどの相当の理由も必要です。 ⑧墓地の境界に(墓地の境界の内側に緑地等を設けるにはその緑地帯の内側)に障壁(密植した垣根等)を設けること。 ⑨砂利敷きその他の方法により、ぬかるみとならない構造を有し、かつ幅員が1m以上であっても各墳墓に接続している通路を設けること。また、雨水その他の地表水が停留しないようにするための排水施設を設けること。 ⑩給水設備及びごみ処理設備を設けること。 ※ただし、個人墓地の場合は、住民の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生上支障がないと認められる範囲内で、当該基準の一部を緩和または適用しない場合があります。 ※なお、排水施設、障壁、排水用抜け穴等については、「宅地造成等規制法施行令」の第2章「宅地造成に関する工事の技術的基準」に準じます。
(3)経営許可申請書類
経営許可申請に必要な書類は概ね以下の通りです。 ①申請に係る土地の登記事項証明書及び実測図 ②宗教法人が経営を行う場合には、認証を受けた規則の写し・法人登記事項証明書・責任役員会等の議決を証する書類等が必要。 ③付近の見取り図・・・墓地にあっては周囲200m、火葬場にあっては周囲300m以内の人家・学校・病院・鉄道・道路・河川・ため池・貯水池の所在の有無の分かるものが必要です。 ④墓地等の造成設計書、図面など ⑤他法令の許可書又は申請書類等 ⑥墓地等の維持管理の方法を明らかにした書類(管理規程等)また、「隣地所有者の同意書」「地域住民の同意書(※)」が必要となります。※地域住民の同意書については、自治体によって「自治会会長、区長の同意書」で足る場合があります。
(4)墓地経営開始までの道のり
ここまでお読みになってお分かりの通り、墓地を新たに経営するためには、宗教法人規則の変更をする必要がある場合には、規則に則った議事録や証明書・公告書面の作成、他法令の許可申請、事業計画書・管理規則・契約書の作成など、書類量は膨大なものになります。当事務所はこれらすべての書面作成・申請代行、内外の会議等の参加・助言・議事進行などでお役に立ちます。
(5)工事完了後の届出
墓地等が完成しても、そのままでは使用できません。工事が完了したら、工事完了届を提出後、その検査を受けた後に、使用することができます。
宅地造成等規制法施行令
「宅地造成に関する工事の技術的基準(宅地造成等規制法施行令)第2章には、墓地等の設置に必要な擁壁等の施設、排水等施設での基準が定められています。なお、各地域の特性によるところが大きいため、本基準に新たな技術的基準を付加したり、強化することができることになっております。詳細は上記にて記載しているほか、当事務所へお問い合わせください。
墓地経営許可Q&A
- 一旦墓地の経営の許可を受けた後、区画を増やしたいと思いますが、どのようにすれよいですか?
- 一旦許可を受けて墓地を経営した後に、隣地にも墓地を増やす場合には、「区画変更」の許可申請が必要です。許可申請と同様の書類が必要となります。
- 墓地等を経営する場合、隣地所有者の同意は必要でしょうか?
- 隣地所有者の同意は必ず受ける必要があります。隣地にいきなり墓地を造営する場合、それにより土地価格の減少の結果、市への苦情が生じる場合がありますので、同意を得ていない場合、許可はできません。
- 宗教法人の墓地経営には必ず規則変更しなければなりませんか?
- 墓地等が信徒、檀家のみを対象にするのであれば、それは「宗教活動」の一環とみなされるため、規則変更の必要はありません。それを一般に広告する場合は営利活動になるため、規則変更が必要です。