相続手続には細かい問題が生じます。
先日の案件。
ある土地は亡くなられた先妻とご本人が2分の1ずつの持ち分で取得しています。その先妻の相続について、相談がありました(ご自宅はご本人の単独所有)。
戸籍謄本をたどると、先妻はご本人と婚姻する前に1年間ほど別の方と結婚されていました(仮に「前婚」と言います)。すぐに離婚し、本人と再婚しました。
これまで、本人は先妻の前婚の事実を全く知らず、あくまで噂話として聞いていたのですが、改めて戸籍をたどってみると、先妻の前婚の際に、お子さん(仮に「Aさん」とお呼びすることにしましょう)がいらっしゃることが判明しました。
もし、Aさんが存命した場合、そのAさんは相続人となりますし、Aさんが結婚された後にそのお子さんが生まれた後にお亡くなりになった場合、Aさんのお子さんが相続人(代襲相続)となってしまいます。
問題はAさん、あるいはお子さんが現在どこにお住まいなのか、ということです。近畿地方ならいいのですが、北海道とか沖縄県にお住まいだとすると・・・。今考えただけでも、ぞっとする話です。
来年4月から相続登記も義務化される予定です。相続手続を放置しないように、今のうちに相続手続をご検討ください・・・。
ちなみに、Aさんのその後ですが、すでにお亡くなりになっておりました。
2023-06-30 15:18:00
皆さんは「不在住・不在籍の証明書」を耳にしたことがあるでしょうか?
相続の手続をするには、被相続人の出生から死亡までの戸籍を揃えて、戸籍の附票を揃え、不動産の権利証で、その不動産は被相続人が所有者であったことを証明します。
ところが、この「戸籍の附票」が、自治体によっても異なるのですが、大体5年~10年以上経つと破棄されてしまいます。それでは、権利証に記載されている住所が被相続人のものなのか証明することが難しくなります。
そこで、苦肉の策として、「不在住・不在籍の証明書」を添付します。
これは、「権利証に記載された住所・氏名・本籍と一致する該当者は存在しません 」ということを証明する書類となります。それを「反対証明」といい、一件でもその住所・氏名・本籍に該当する方がおられる場合は発行できません(同一人物ではない別の人物が存在しているため)。これを相続登記時に添付することにより、相続登記が可能となります。
ただし、相続人の上申書も添付しなければなりません。
上申書の内容は簡略に言うと「被相続人と権利書上が同一人物であることを疎明する書類がないが、同一人物であることを上申します。今後いかなる紛争が起きても登記所にはご迷惑をおかけすることはありません」という内容です。
2021-11-24 03:13:14