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工事経歴書の作成について

「工事経歴書」作成について

経営事項審査で重要なものの一つに、「工事経歴書」というものがあります。

一言で申し上げると、審査基準日以前一年間の建設業にかかる工事の履歴を一覧表にしたものです。

「請負契約の締結に関しては、着工前書面契約の徹底、契約書面への記載必須事項の規定等の義務」については当事務所ホームページのこの記事にてご説明申し上げましたが、「工事経歴書」には以下の通り、契約内容を簡易にまとめております。

①許可業種・・・許可業種にごとに作成。
②税込・税別の別・・・経審を受審する場合は、免税業者を除いて原則「消費税抜き」。
③注文者・・・元請の場合は直接の注文者を記載。ただし、個人名の場合は頭文字(神山が注文者の場合は「K」と記載)であること。
④元請・下請の別・・・自社が施主から直接注文を受けた場合は「元請」、それ以外は「下請」。孫請等の場合も「下請」。
⑤JVの別
⑥工事名・・・自社が行った工事は原則として契約書通りだが、そこで自社の担当した工事名が判別できない場合に限り、自社の工事内容を補足する。ただし、③に注意。
⑦工事現場のある都道府県及び市町村名
⑧配置技術者・・・ここで、「工事現場の主任技術者」の要件の一つがチェックされます。専任技術者が現場の主任技術者を兼ねることができる要件はこちらにて。
⑨請負代金の額・・・②と同様。千円単位。
⑩工期
⑪小計・合計

記載すべき工事の順序

1.まず、優先するのは直近の事業年度内に着工した、「元請」の完成工事を請負金額の大きいものから記載します。ただし、下請工事のみで元請工事がない場合は2を参照。
2.元請工事の次に下請工事、続いて未成工事の順に記載します。
3.工事は業種ごととし、完成工事の7割を超えるか、あるいは7割を超えていなくても、「軽微な工事」が10件あれば、それを超える工事を記載する必要はありません。
※「軽微な工事」について、詳しくはこちらをご覧ください。
4.業種ごとの完成工事高が1000億円を超える場合は、超える部分の工事についても記載する必要はありません。
※詳しくはフローチャートをご参照ください。

経営事項審査における工事経歴書の書き方




(例)
1.建築一式工事、すべて元請工事。全体の工事が5600万円、A工事が1300万円、B工事が1000万円、C工事が1200万円だった。
 →5600万円の7割が3920万円なのにたいして、AからC工事を記載しても、なお420万円不足しているため、420万円を超える工事施工金額にあたる工事を記載する必要があります。

2.専門工事、鋼構造物工事かつすべて下請工事で、すべて軽微な工事(500万円未満)のみ24件だった。
→24件をすべて記載する必要はなく、10件記載した時点で終了となります。ただし、施工工事高の大きい順から記載する必要があります。

経営事項審査を受審しない場合の工事経歴書

このページをご覧の方は現に経営事項審査を受審している、あるいは将来的に受審をご検討の方ばかりなので、これは余談ですが、将来的に受審しないことが確定している場合の工事経歴書はどのように記載するべきなのでしょうか?
それは都道府県によって様々で明確なルールはありません(全体工事の7割超を要求する県もあれば、主な工事10件の記載でOKという都道府県もある)。
ただ、今後受審を迷っておられるのであれば、7割超の工事まで記載するべきだと思います。
なお、税込500万円未満が元請下請両方あわせて10件記載するところで、7割達していなくても、記載はそこで終了します(経審受ける場合も同様)。