「神山和幸行政書士事務所」ホームぺージ 、経営状況分析に関する記事

Y.経営状況分析の概要

経営状況分析とは?

経営状況分析とは、その事業者の経営状態を、決算書から分析することを言います。
経営事項審査を受け、総合評定値を得るには、「登録経営状況分析機関」に申請して、経営状況評点(Y)を算出・分析結果を得なければなりません。
分析結果である「経営状況分析結果通知書」は、経営規模等評価に必要です。
日程的に見れば、基準決算日から7か月以内に経審を受審しなければなりませんので、決算変更届とほぼ同時進行(もし経営状況分析に修正があれば決算変更届も変更する必要があることから、どちらかというと経営状況分析申請が先行)で進めねばなりません。

※標準的な経営事項審査の流れ(3月末日が決算日の場合)
①基準決算日(3月末日)
②決算書の作成・税務申告(5月中)
③経営状況分析申請(6月上旬)→「経営状況分析結果通知書」受け取り
④決算変更届提出(6月下旬)
 ①~④で概ね3カ月以内
⑤経営規模当評価申請(8月下旬)
⑥総合評定値通知書の受領(9月末日)
中小企業の建設業者様の間では、経営規模等評価では各評点であまり差がつかないので、この経営状況分析で好評点を狙う必要があります。



経営状況の評価指標

経営状況評価指標は以下の4つの属性を評価できる8つの指標となっております。

負債抵抗力指標・・・借入金や支払利息の多少を判断。
ア.「純支払利息比率」売上高に対して実質的な支払利息がどの程度あるか?
イ.「負債回転期間」流動負債+固定負債が平均月商の何か月分なのか?
収益性・効率性指標・・・売上高や投下資本に対する利益額より、利益率を判断。
ウ.「総資本売上総利益率」売上総利益が総資本に対してどのくらい得られているか?
エ.「売上高経常利益率」売上総利益が売上高に対してどれくらい得られているか?
財務健全性指標・・・自己資本(資本金+蓄積利益)の割合を判断。
オ.「自己資本対固定資産比率」固定資産は自己資本の範囲内で取得できているか?
カ.「自己資本比率」総資産が自己資本だけで調達されているか?
④絶対的力量指標・・・事業活動でどれだけ現金を取得したか、どれだけ蓄積したか?
キ.「営業キャッシュ・フロー
ク.「利益剰余金の額

「経営状況分析」全体の評点アップ策概要

1.借入金を減らせ!!
・「固定預金の解約」「遊休資産の売却」「役員や従業員に対する貸付金の回収」→これらによって得られた資金を借入金返済へ
・「公的融資の活用(低利な借り入れ)」→支払利息を圧縮

2.自己資本の充実
・「増資の実施」・・・経営者からの借入れを資本金に振り替える。
・利益剰余金の対策は先述。

3.工事原価及び販管費の圧縮
・利益の出ない工事は受注しないよう努める(利益の確保)
・積算ミスをなくす、在庫管理の合理化
・工程管理を徹底化する。

4.その他
・売掛債権の積極的回収
・仮勘定の清算
・減価償却の実施



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連結決算を採用している大会社についての取扱い

連結決算を採用している大会社について

連結決算を採用している大会社については、当期(及び前期)の「有価証券報告書」を基に、経営状況分析を行います。
経営事項審査についても、有価証券報告書内の連結決算の財務諸表をそのまま記載します。
ただし、そこには当期の「減価償却実施額」の記載はありません。
減価償却実施額については、税理士に問い合わせる必要があります。また、消費税や法人税の納税申告書についても同様です。