「一日最大○○円のはずなのに高額な料金を請求された」、「平日料金と休日料金の違いが分かりづらい」などのコインパーキングの表示に関する相談が全国の消費生活センターや「消費者トラブルメール箱」に寄せられ、増加傾向にあったことから国民生活センターでは2013年10月に報道発表を行いました。
公表後、相談件数は300件前後と横ばいでしたが、2017年度は363件と再び増加に転じました(図)。内容をみると、従来同様、表示とは違う高額な料金を請求されたという相談が多いものの、最近では「スマホアプリ上の利用料金の表示と違った料金を請求された」という、最新のツールを利用した新たな事例もみられます。
そこで、このトラブルについて再度問題点をまとめ、消費者被害の未然防止・拡大防止のため情報提供します。
図 PIO-NETにみる年度別相談件数(2018年10月31日までの登録分)
※1 2017年度同期件数(2017年10月31日までのPIO-NET登録分)は187件
※2 2018年度は4月~10月の相談件数
2013年度の相談件数は305件、2014年度の相談件数は294件、2015年度の相談件数は296件、2016年度の相談件数は299件、2017年度の相談件数は363件、2018年10月31日までの相談件数は174件(前年度同時期の相談件数は187件)です。
相談事例
【事例1】一日最大料金の適用が24時間1回限りまでであることが分かりづらかった
【事例2】年末年始の特別料金が適用されることが入庫時に分からなかった
【事例3】最大料金の適用にスペースの条件があることが分からなかった
【事例4】最大料金の適用に入庫時間の条件があることが分からなかった
【事例5】スマホアプリ上の利用料金の表記と違った料金を請求された
【事例6】駐車券の紛失に対して高額な料金を請求された
【事例7】お金を入れたのにお釣りが出ない
相談事例からみる問題点等
(1)駐車料金に関する表示
•看板に表示されている条件が理解しにくい
•休日などに適用される特別料金の表示が分かりにくい
•料金等の取引条件に関する表示が見づらい
•料金体系が複雑である
(2)ホームページやスマホアプリ上の料金表示
ホームページやアプリ上の表示を見て想定していた料金が、実際に請求された料金と異なっていたという2013年度の公表時にはなかった新たな相談も寄せられています。
(3)駐車券の紛失に関する表示
駐車券を紛失したことを理由に、高額な料金を請求されたという相談も依然として寄せられています。
(4)精算時に関する表示
支払い後に初めてお釣りが出ない旨の表示に気づいたという相談も、数は減少しているものの依然として寄せられています。
消費者へのアドバイス
1.「一日最大○○円」等の大きな表示だけでなく、その他の条件も事前に確認すること
2.駐車券の紛失には注意すること
3.トラブルになった場合は、最寄りの消費生活センターへ相談すること
4.表示に問題があると思った場合は情報提供を!
業界への要望
1.平成26年9月17日に策定した「時間貸駐車場における表示・運用に関するガイドライン」の加盟業者へのさらなる周知・徹底を行うこと
2.できる限り複雑な料金体系を避け、利用者が容易に理解できる料金体系を用いること
要望先
•一般社団法人日本パーキングビジネス協会(法人番号9010005019340)
情報提供先
•消費者庁 消費者政策課(法人番号5000012010024)
•消費者庁 表示対策課(法人番号5000012010024)
•公正取引委員会事務総局(法人番号8000012010021)
•内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
•国土交通省 都市局 街路交通施設課(法人番号2000012100001)
※平成30年11月22日 国民生活センターメールマガジンより