今回も経営事項審査を数社代理させていただきましたが、今回初めて連結決算を採用している大会社を担当させていただきましたので、大会社と通常会社との違いを大まかに解説させていただきます。
1.連結決算の場合は「有価証券報告書」をもとにする。
通常の会社では税理士の作成した財務諸表をもとに、それを建設会計に補正して提出する「決算変更届」をもとに経営事項審査を受審しますが、大会社の場合は「有価証券報告書」をもとに連結決算による財務諸表によります。
ただ、その場合、「減価償却実施額」「消費税の申告」「工事原価報告書」など省略されていることが多いので、不明な点は申告をしている税理士に問い合わせなければなりません。
有価証券報告書は経営状況分析及び経営規模等評価申請でも使用します。言い換えれば、経営状況分析では連結決算で審査しているのに、経営規模等評価申請で単独決算として審査することはありえません。
2.附属明細表
資本金の額が一億円以上であるまたは最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である会社では注記表とは別に「附属明細表」を添付しなければなりません。
3.その他
受審して思ったのは、工事経歴の確認について、他に何かいい方法はないのだろうか、ということですね。大会社は特に建築一式工事で建物の請負契約を100件近くいちいち確認していると、平気で2~3時間かかってしまいます。今回も手分けして、というわけにもいかず・・・。県側ともはっきり要望すべきことは要望していきたいと思いました(特に有価証券報告書を出すくらいの大会社なのだから一応の信用はありそうなものですが)。