「神山和幸行政書士事務所」ホームぺージ 、農地転用に関する記事

農地転用に関する知識

5条許可申請が単独でできる場合

農地法5条の許可申請は、当事者が連署の上で行うのが基本ですが、単独で行うことができる場合があります。以下の通りです。

(1)その申請に係る権利の設定または移転が強制競売、担保権の実行としての競売若しくは公売または遺贈その他の単独行為による場合
※遺贈による許可申請は、遺贈者の死後において、遺言執行者又は相続人が行います。なお、遺贈は遺贈者の単独行為なので、受遺者による許可申請は却下されます。 また、死因贈与の場合は遺贈のように単独行為ではないので、連署による許可申請となります。この場合、死因贈与の場合の許可申請は、贈与者の死後において相続人と受贈者が行うことになります。


(2)その申請にかかる権利の設定または移転に関し、判決が確定し、裁判上の和解若しくは請求の認諾があり、民事調停により調停が成立し、又は家事審判法により審判が確定し、もしくは調停が成立した場合

 単独申請を行う場合には、上記(1)(2)に該当することを証する書面を添付する必要があります。

許可申請書を直接知事に提出できる場合

都道府県知事が行う農地転用許可処分について、農業委員会の事務処理その他の事情により許可申請書の送付が不当に遅延することによって許可申請者に不利益を与えることを防止するため、許可申請書を農業委員会に提出した後に農業委員会が申請書の提出があった日の翌日から40日以内に都道府県知事に送付しなかった場合等一定の要件に該当することとなった時には、当該農業委員会に申請を取り下げる旨を通知して、当該申請と同一内容の申請書を直接都道府県知事に提出することができます。
 これは、農業委員会の総会や部会が同期間以内に開かれる見込みのないことが明らかである場合や、開かれる見込みのないことが明らかになった場合、その他相当の事由がある場合でも同様です。


相手が許可申請に協力してくれない場合

農地の売買契約を締結したのに、売主が農地転用の許可申請に協力してくれない場合、所有権移転については農地法5条の許可申請を行う必要がありますが、契約の当事者である売主は農地転用の許可申請に協力する義務があります。一方、買主には許可申請に協力を求める権利があり、売主が協力しない場合には、買主は売主に対して所有権移転と農地転用許可申請に協力を求める訴訟を起こし、この訴訟に勝訴した場合は、単独で許可申請をすることができます(前記1の(2))。
 売買契約が成立した場合、その契約の効力として売主は飼い主に対し、目的物の所有権の移転や引渡し等の履行義務が発生しますが、その履行義務には、農地転用許可申請への協力義務も含まれます。
 また、買主は売主の義務の不履行を理由に売買契約の解除をすることもできます。この場合、買主は契約に要した費用等について損害の賠償を請求することもできます。


一筆の内の一部の転用の取扱い

農地の一筆農地の一部を転用する場合には、農地転用の許可申請に当たって、一筆のうちのどの部分を転用するのかを特定する必要があります。具体的には、転用部分の場所、面積が特定できる実測図等を申請書に添付することになります。
 ただし、一筆農地の一部の転用に伴い所有権を移転する場合には分筆前に転用の許可を受けても、その許可をもって所有権移転登記ができないので、所有権を移転して転用する部分を予め分筆した後に許可申請を行う必要があります。


共有名義の農地を転用する場合の留意点

共有名義の農地は共有物です。共有者はそれぞれ持分に応じて使用することができますが、他の共有者の同意がなければ共有物についてその形質の変更を行うことができません。
 農地転用は形質の変更をする行為とみなされ、共有名義の農地については、他の共有者の同意を要し、同意のない許可申請には、農地を転用して申請に係る用途に供することが確実と認められないため、許可されません。



相続未登記でも許可申請は可能か

   農地の登記名義人が既に死亡して相続登記がなされていない場合でも、相続関係が明らかであり、申請者が真の所有者であるか(申請適格であるか)等が確認できれば、農地転用の許可をすることはできます。
 この場合、登記名義人と申請者との相続関係が確認できる戸籍謄本、遺産分割協議書等の書類の添付が必要となります。
 なお、農地について相続が発生し遺産分割がなされていない場合は、その農地は相続人全員の共有となります(5参照)。

農地の競売に参加するための手続

本来、差押えられた土地については、自由に競売に参加できるはずです。

しかし、その土地が農地である場合、そうはいきません。農地法では買受できる者を限定しています。その買受できる者は「買受適格証明書」をあらかじめ交付されていなければなりません。この証明は許可できる行政庁が交付することとなっており、許可の申請あるいは届出に準じて行わねばなりません。
つまり、転用許可申請と同様に、「資金計画書」「転用後の建設物件図面(立面図も含む)」「排水計画書」等が必要になります(詳しくはこちらもご参照ください)。

落札できるかどうか分からないのに図面まで必要なの?という声もお聞きしますが、買受適格者なのかどうか判断できる資料として、実は添付が必要なのです(ただし、下記参照)。

そして、競売にて落札した者は、改めて農地の権利移動の手続、あるいは転用の手続を行います。
つまり、買受適格証明願と許可申請(あるいは届出)2回の手続が必要です。

ただし、以下の相違点があります。

1 隣地所有者の同意書は必要ない(落札する前のため)。
2 水利組合の同意、地区長の同意の必要もない(同様の理由)。

以上は買受適格証明願の場合であり、落札後は1及び2の準備も必要となりますので、ご了承ください。
詳しくは、当事務所にお問い合わせください。

転用に関するその他の知識

農地転用に関する豆知識です。

◎売買契約を解除した場合には?

債務不履行の場合・・・農地法の規制の対象とならない。
合意解除・約定解除の場合・・・ 対象となる。



農地転用に伴う登記

農地法4条
農地の権利移動はなく、登記記録上の地目を農地から農地以外の地目に変更する手続。
実務上では転用許可書の添付が必要であるが、許可書が添付されていても、ただちに変更登記申請を受理するのではなく、現況を実地調査を行う。5条において同様。

農地法5条
農地の地目をそのままに権利移動の登記(権利譲渡人と権利譲受人との共同申請)をし、権利譲受人において地目変更登記手続をする。