Z.経営規模等評価の評価項目「技術職員数」
「国家資格者等・監理技術者一覧表」の廃止(改正情報)
建設業法改正の施行に伴い。様式第11号「「国家資格者等・監理技術者一覧表」が廃止されます。
これまでは建設業許可申請時に国監者一覧表をご提出いただいた時点で資格者証等を確認していたことから、経営事項審査においても事前にご提出済みであれば技術者の資格者証は提示を省略していました。
令和2年4月以降から国監者一覧表は廃止となりますが、経審受審を予定している業者について、許可変更時等にあわせて国監者一覧表に代わる届出(様式5号)をあらかじめご提出していただいている場合は、経審でもこれまで同様に資格者証等の提示を省略し、和歌山県へ事前にご提出されていない技術者の分のみ審査時に資格者証の提示を求めることとなります。
専任技術者以外の技術者について、資格事項等に変更がある場合は様式第5号を早めに各振興局等に提出するようにお願いいたします。
建設キャリアアップシステムについて(改正情報)
「技術職員数(Z1)」の項目で、登録基幹技能者に3点、技能士1級に2点が付与されていますが、今後『建設キャリアアップシステム』(以下、CCUS)の4段階の能力レベル評価制度の内、 「レベル4技能者」に3点(有資格区分コード704 登録基幹技能者と同等) 「レベル3技能者」に2点(有資格区分コード703 技能士1級・技術者資格2級と同等) の加点が付与されることになります。 平成31年4月から既にCCUSが本運用されていますが、次回の審査基準日時点でレベル3,4を取得されているCCUS技能者はまだあまり多くないとは思われます。 こちらも、登録基幹技能者講習修了証と同様、審査時に「ICカード」の写し等を審査時に提示していただく、といった確認手段になる見込みです。
1.Z点について
技術職員数と元請完成工事高がZ点の評価項目です。これらの評点を次の計算式に当てはめてZ点が算出されます。Z=(技術職員数評点)×0.8+(元請完成工事高評点)×0.2
このように、技術職員数はZ点の8割を占めるとともに、Z点は総合評定値の25%のウェイトがある重要な項目です。
2.技術職員数について
技術職員数の評価は技術職員の数が多いほど高くなるのみならず、その資格区分による配点も大きく反映されます。次の通りの配点となっています。
・1級資格者でかつ監理技術者講習修了者・・・付与点数(1人あたり)6
・監理技術者講習修了者でない1級資格者・・・5
・監理技術者を補佐する者として配置可能な1級技士補・・・4(令和3年4月より追加)
・基幹技能講習修了者である1級資格者以外の者・・・3
・2級資格者・・・2
・その他の技術者(10年以上の実務経験者等)・・・1
※「監理技術者講習」には有効期限があり、「講習修了の日の属する年の翌年から5年間」となっております(令和4年8月より適用)
なお、この技術職員数評価について、以下のような注意点があります。
①同一の技術者が加点カウントできる業種は2つまで。例えば、土木施工管理技士と建築施工管理技士の両方の資格を持ち、建築施工管理技士に基づいて、「建築」と「鋼」をカウントすると、「土木」はカウントできない。
②技術職員資格区分表に記載されている資格だけが評価対象となる。また、資格につけられている等級ではなく、資格区分表の等級で決められる。
③常勤の役職員が技術職員数にカウントされる。常勤の要件は、「6か月を超える恒常的雇用関係があり、なおかつ常勤で雇用されている者」であることであり、証明書類として、社会保険や雇用保険関係の書類が必要となる。
例 以下のような技術職員の構成である業者Aと業者Bでは(どちらも6人)?A:監理技術者講習修了者1名、1級技術者2名、2級資格者3名B:1級技術者1名、2級3名、実務経験2名⇒A:6×1+5×2+2×3=22点→62×22÷10+636=772(P点換算154点)⇒B:5×1+2×3+1×2=13点→62×13÷5+511=672(P点換算134点)※本来、Z点は元請完成工事高とともに計算するものです。数値は実際の数値とは異なることがあります。
3.技術職員数の評点をアップするには?
1.監理技術者講習・基幹技能者講習の受講 前述の配点表にあるように、1級資格者でかつ「監理技術者講習修了者」であれば、評点が1点アップされ、2級資格者でかつ「基幹技能講習修了者」であっても評点がアップします。 これらの講習の修了をすることにより、評点アップを狙いましょう。 ただし、監理技術者講習修了者は、修了証に加えて、「監理技術者資格者証」の交付を受けなければなりません。 交付申請は一般財団法人建設技術者センターにお問い合わせください。また、監理技術者講習の実施機関は複数あります。検索するなどして調べてください。※経営事項審査では、監理技術者・基幹技能者の加点のための確認書類として以上の資格者証等の写しを提示する必要があります。事前に資格のある旨の届出をしなければなりません。上記には有効期限があり、更新時にも届出をしなければなりませんので、ご注意ください。
2.上位資格の取得
前述の通り、技術職員数の評価は技術職員の数が多いほど高くなるのみならず、その資格区分による配点も大きく反映されます。技術者の絶対数を増やすことも有効ですが、この人材不足の昨今、なかなか新たな技術者の雇用は見込めないかもしれませんし、人件費も増大するわけですから、安易な雇用はお勧めできません。
貴社の技術者は、みなさん有資格者ですか?実務経験者ばかりではないですか?2級資格者ばかりではないですか?
技術者の絶対数を増やすのが難しいのであれば、技術者に1ランクアップの技能資格を取得させることで、評点アップを狙うしかありません。実務経験者には2級資格を、2級資格者には1級を。
自社の経審対象業種に見合った資格を取得させましょう。
そのために、資格取得のための学費援助や有給休暇の活用、雇用助成金などの利用、企業内奨励金・手当・報奨金の支給を約束して、技術者を鼓舞・援助して、資格取得を目指しましょう!
経営事項審査の加点対象「一級建築施工管理技士補」について
今回の建設業法改正(令和3年4月1日施行)により、監理技術者を補佐する者 として建設業法の改正に伴い新設された一級技士補に4点が加点されることとなります。 ※一級技士補とは一級施工管理技士補(技士補)は、一級施工管理技士を補佐する資格で、一次検定試験に合格することで取得することができます。所定の大規模な工事現場には、本来、監理技術者を専任で置かなければなりませんが、技士補を置くことにより、監理技術者は2つの現場を兼任できることになります。また、技士補は二次検定試験に合格することにより、いつでも一級工管理技士になることができます。
具体的には、「建設機械」「土木」「建築」「電気工事」「管工事」「電気通信工事」「造園」各建設業の施工管理技士です。
基幹技能者について
国土交通大臣の登録を受けた基幹技能者講習を、審査基準日以前に修了した者については、経営規模等評価において得点対象となります。ただし、受講には要件があります。①当該基幹技能者の職種において、10年以上の実務経験②実務経験のうち3年以上の職長経験③実施機関において定めている資格等の保有 (1級技能士、施工管理技士等)登録基幹技能者は、現場において次のような役割を担っています。①現場の状況に応じた施工方法等の提案、調整等②現場の作業を効率的に行うための技能者の適切な配置、作業方法、作業手順等の構成③生産グループ内の技能者に対する施工に係る指示、指導④前工程・後工程に配慮した他の職長との連絡・調整各技能者講習についてはこちら。