先日、隣市の農地転用許可申請後の現地調査があり、代理人として立ち会いました。すっかり草刈りも終わっておりました。地元農業委員会によれば、近年より、雑木に関する苦情もあり、しかも相続人が遠方にお住まいだったことも影響しておりまして、苦情先も周囲の住民も、今後は安心すると思います。
多数、農地に関する手続を進めておりますが、農地を相続したが故に、管理や処分に困る所有者が激増しております。近隣にお住まいであれば見回りも可能ですし、これを機に農業を始めてみようかと検討することも可能ですが、それが不可能な場合の方が多いです、
他の土地に比べ、自由に処分できないという方々の相談にも応えていきたいと考えておりますが、それは今回のブログの主旨ではありません。
農地転用申請後、地元の農業委員に対して事業内容を説明する機会があると思います。特に事業面積が広いと、数回の説明が必要ですし、内容によっては、申請前に地元住民に対する説明する機会もあり得ます。
転用許可申請では、地元区長(自治会長)の同意、また水利組合があれば水利組合長にも同意を得る必要があります。その際に、「住民に説明してほしい」という要望があれば、それに応じて十分に転用目的などを説明しなければなりません。
ここでは、質問想定について考えてみます。
代表的なポイントは主に以下の通り。
1.排水計画
例えば、梅雨期、台風の到来で急激な雨水が発生した時の、水の流れについてよく問われます。
付近に河川があるのであればそこまでの水の流れはどうか。河川がない場合はどうするのか?下水道があればそこまでの流れをどうするのか。
場合によっては排水溝を造作する必要もあるでしょう。地元の水利組合との協議も必要なのかもしれません。
2.苦情処理を明確に
1.は主に水に関するトラブルへの対応ですが、水以外にも起こり得ます。例えば、太陽光発電設備の場合、反射光もそうですし、設備も経年劣化による影響があります。台風の暴風によりパネルなどが吹き飛ぶことも十分想定できます。その場合、苦情はどこに言えばいいのか?まさか地元市町村農業委員会に言うわけにもいかないでしょう。市町村もそれが増えれば対応にも困るわけで、それを防ぐためにも、地元住民への情報提供が肝要だと考えます。
1.2.以外に様々な質問や要望が出ると思われます。
大切なことは、地元住民や地元組合と充分協議することです。もし、何かがあっても、責任を持って対応できるようにしたいところですね。
2025-01-31 13:43:00
相続したのはいいけれど、遠方にあるとか、使い道が見当たらない土地ってありませんか?私も相続のご相談を受ける際に、相続人方が、「国で引き取ってもらえればいいのに」という声をよく耳にします。
みなさん「相続土地国庫帰属制度」について、名称は耳にしたことがあるでしょうか?内容をご存じない方々の方が多いと思われます。
令和6年11月27日(水)、プラザホープ多目的室にて、国土農地専門部会研修会(第2回)が開催されました。
「研修会」の主なテーマは、「相続土地の国庫帰属制度」です。和歌山地方法務局から登記官をお招きしました。
相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限定)により取得した土地を国庫に帰属させる制度が創設され、令和5年4月より施行されていますが、その主旨は、「土地が管理されないまま放置されてしまう(つまりモラルハザードが生じる)のを防ぐ」というものです。従って、無条件で引き取ってくれるわけではありません。帰属させるには、様々な要件があり、かつ20万円以上の負担金を国に納める必要があります(審査手数料もかかります)。
その点を重点に解説していただきました。
ただ、お話をお聴きした結果、果たしてこの制度は、本当に国民のニーズに応える制度になっているのかについては、疑問の残るところです。
今後の制度改正は、政治家の仕事です(あくまでも、行政官の仕事ではない)。国民のニーズに応え得る制度に期待します。
2024-12-04 15:08:00