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一般貨物自動車運送事業の許可申請

(重要)貨物自動車運送事業法改正の施行について

トラック事業の健全な発達及びトラックドライバーの労働条件の改善を図るため、「貨物自動車運送事業法」が一部改正され、令和元年11月(一部7月)より施行されました。
 以下の記事は改正前の情報となっております。改正の内容についてはこちらをご参照ください。


(1)一般貨物自動車運送事業

運送事業の解説、イメージ
 貨物自動車運送事業(いわゆる運送業)と一口に言っても様々な種類があります。
 普通トラック(軽自動車や2輪自動車以外)類を使用して不特定多数から依頼を受け、有償で貨物を運送する事業は「一般貨物自動車運送事業」にあたります。一般的に「運送事業」と呼ばれる形態ははこれのことです。
 なお、ある事業場で貨物の仕分・集配を行い、異なる事業場へ運送して仕分して配達するような「事業所間の積み合わせ運送」を行う(特別積み合わせ貨物運送)場合には、さらに要件があります。


(2)貨物自動車運送事業の許可

車両を使用して、依頼を受けて有償で貨物を運送をする事業であれば、貨物自動車運送事業許可が必要です。例えば、建設業者が自社の受注する建設工事現場に建設資材を輸送する場合などはこれにあたりませんが、元請会社から自社(下請業者)が関わる工事現場以外にも建設資材を輸送するよう依頼されて報酬を受ける場合には、貨物自動車運送事業の許可が必要となります。

(3)一般貨物自動車運送事業許可の要件


一般貨物自動車運送事業を営むには、管轄の運輸支局を経由して、各運輸局に許可を申請しなければなりません。
運送事業の許可取得までの流れ


許可を受けるためには、以下に掲げる基準をクリアしていることが必要となります。

①場所・施設等に関する要件

営業所について、要件は以下の通りです、
①賃貸の場合は2年以上の契約であること、賃貸借の契約期間が2年未満の場合は、契約期間満了時に契約期間が自動的に更新されるものであること。
②駐車場から直線距離で10㎞以内にあること
③事務所の場所が「市街化調整区域」でないこと(都市計画法の規定)
④市街化調整区域の場合でも、昭和45年11月前後(市町村により変わります)に建築され、事務所として使用されていた場所であれば使用可能(案件により使用できない場合もございます)
⑤市街化調整区域の場合は④に加え、50戸連単などの都市計画法上の要件を満たしていること
⑥事務所の場所の用途地域が「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」(都市計画法の規定)と呼ばれる場所でないこと
⑦建築基準法、農地法、消防法などに適合した建物であること
※例えば、地目が「畑」「田」などになったままでは事務所や車庫にはできません。詳しくはこちら。
⑧10㎡以上の大きさがあること(あくまで目安)
⑨机、椅子、電話などが揃っていること(申請時にない場合は許可がおりるまでに揃えれば構いません)
⑩プレハブを使用する場合、建築確認申請をしていること※
※市街化調整区域にある駐車場内には建物が建てられません。従ってプレハブなどを設置して営業所(事務所)にすることもできませんのでご注意ください。
 
車庫の要件は主に以下の通りです。
 原則は営業所に併設していること。併設できない場合には、営業所のある市によっては、別途定められている距離以内であれば車庫とすることが可能。
 建物が農地法、都市計画法などの法令に違反していないこと。
 車庫としての建物の使用権限を有すること。
 なお、車庫の前面道路の幅員(道路の幅)は車両制限令により使用車両の通行に支障のないことが必要(車両の幅により異なるが、一般的には6.5m以上)。

※営業所と同じく賃貸また自己所有などの土地を確保できていること。そして、確保した駐車場がトラックが通行しても交通安全上問題ない場所であることが要件となります。
 ※交通安全上問題ないとは、駐車場の出入口が交差点の曲がり角にないこと、信号の近くにないこと、幼稚園や保育園の近くにないということです。
 
その他、運送業に使用する車両を運転するための運転資格を持っていることも必要なのでご注意ください
※なお、前面道路が私道の場合、別途所有者による承諾が必要)。

車両数はどれだけ必要?
 営業所毎に配置する事業用自動車の数は、5両以上。使用権限を有すること。
 ※トレーラ、トラクタを使用する場合は、セットで1両。

・休憩・睡眠施設てなに?
運送業許可では営業所の他にドライバーさんの休憩施設の設置と、必要に応じて仮眠施設の設置が必用となります。休憩施設と仮眠施設の主な条件は以下の通りとなっております。
①事務所内か駐車場内、またはその近隣にあること
②賃貸の場合は2年以上の契約であること
③都市計画法、農地法、建築基準法、消防法に触れるものでないこと
④ドライバーがいつでも利用できる施設であること
⑤運行から運行までの休息時間が短いなどドライバーに睡眠を与える必要がある場合の睡眠施設は1人2.5㎡以上の広さがあること(睡眠を与える必要がなければ必要なし)

②運転者及び運行管理者・整備管理者等の人的要件
 確保の必要がある人員等は以下の通り。
 イ.事業を始めるのに十分な数の運転者
 ロ.運行管理者(運行管理資格者証の取得者)
 ハ.整備管理者(車両整備の実務が2年以上、自動車整備士3級以上など)

では、詳しく見て行きましょう。

運送業許可を取得するには、最低でも6人の確保が必用
※運転者は運行管理者になることができないので最低でも6人確保することが必要です。
・運送業許可の要件として以下の人を確保することが定められています。
運転者(ドライバー)=5人
運行管理者=1人
整備管理者=1人
※ただし整備管理者は運転者や運行管理者でも構いません。したがって運送業許可取得のために確保する人の数は6人ということです。
 
・運行管理者の要件はなに?
運行管理者は、運転者の指導教育や点呼を行うので、運送業運営の要になる存在です。
運行管理者になるには、「運行管理者基礎講習」という講習を受け、「運行管理者試験」に合格することが要件となります。

・整備管理者の要件はなに?
整備管理者は、車両の点検整備記録の管理などを行う人のことです。
 整備管理者になるには、自動車整備士3級以上の資格を持っているか、運送会社などで整備管理などをした経験が2年以上あることが要件となります。
 
・申請者の要件ってなに?
運送業許可取得における申請者についての条件のご説明です。申請者とは個人事業主なら事業主、法人なら法人役員のことを言います。
具体的な条件は下記のとおりとなっております。
 
①運送業を営むのに必要な法律(道路交通法など)を守ること
②個人事業主や法人の役員全員が申請日の前後で、道路交通法などの違反で自動車の「使用停止」以上の処分を受けていないこと※
③1年以上の懲役または禁錮以上の刑を受け、その刑の執行が終わってから5年を経過していること
④運送事業の「許可取消し」を受けた場合、取消しの日から5年を経過していること
⑤法人の役員のうちに、上記1から4までのいずれかに当てはまる者がいないこと
 ①から⑤までのうち、ひとつでも当てはまるものがある場合は申請者の条件をクリアできず運送業許可を取得できません。
 
※詳しく申しますと、「個人事業主や法人の役員が、貨物自動車運送業法、道路交通法の違反で、申請日より前の3ヶ月前(悪質な場合は6カ月前)、または申請した日以降に自動車・輸送施設の「使用停止」以上の処分を受けてないこと」となります。悪質な違反とは飲酒運転、ひき逃げ、事業の停止処分などのことを言います。

 ④運転者の要件はなに?
運送業許可取得時に緑ナンバーにする車両の台数分の運転者を確保していることが要件となります。運転者は運送業許可取得までに社会保険や雇用保険・労災保険に加入しなければいけません。具体的に言うと以下の通りです。

運送業許可は、ドライバーについても一定の条件をクリアするよう規定されております。具体的には下記のように定められています。
営業所に常勤するドライバーがいること(名義貸しはできませんので注意してください)
ドライバーは健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険に加入または許可申請時に加入予定であること(例外あり)※1
車両台数分以上のドライバーを雇用している、または許可申請時に雇用予定であること※2
 
※1 派遣社員、個人事業主やその家族で雇用保険、労災保険に加入できない場合は加入の必要はありません
※2 ドライバーの数にアルバイトを入れることはできません。ただし、2ヶ月以上雇用する契約の派遣社員でも構わないことになっています。
 

③法令試験 (後述)
 申請人本人(申請者が法人である場合には、申請する事業に専従し、業務を執行する常勤役員)が「法令試験」に合格すること。
 ※前述の「運行管理者」は「運行管理者試験」に合格しなければなりませんが、ここで申し上げた「法令試験」とは当然別の試験となりますが、試験の出題範囲とかなり重なっております。
よって、法令試験のクリアするためには、申請者ご本人(法人である場合は上記常勤役員)が自ら運行管理者となるか、運行管理者の資格を得た者を常勤役員に加える(法人の場合)か、いずれかを選択するとよいでしょう。

④資金計画
 事業を始めるために必要な資金の見積もりが適切であり、その額以上の自己資金を有すること。
 ※この所要資金については、何か月分を計上しなければならないなどの条件が付されています。 

・運送業を開始するための資金を確保している証明として、申請者名義の銀行または郵便局の口座に預貯金があることを証明できること(具体的には「残高証明書」という書類で証明します)が要件です。運送業を開始するのに必要な資金は、役員報酬・従業員給料の6ヵ月分や、事務所・駐車場の賃料の12ヵ月分などの諸経費の合計額となります。
 必用な資金の額は、おおよそ800万円から1,600万円ほどです。金額に開きがあるのは申請者ごとに車両購入額や事務所(営業所)・駐車場の賃料などが変わるからです。
 資金の要件は運送業許可の要件の中で、最も大切なものです。なぜなら、他の条件がすべて揃っていても、資金が確保できなければ申請受付ができないからです。
なお、法改正により、「任意保険が従来の対人無制限に加え対物200万円以上の加入義務」「社会保険、労働保険などの支払能力があること」が新たに加わりました。
 
なお、残高証明書は運送業許可申請時と、その約2ヶ月後(具体的には法令試験合格後)の2回提出します。
 
⑤その他
 輸送の安全管理体制の整備。
 車両の自賠責保険・任意保険の加入により、十分な保険能力を有していること。
 社会保険・雇用保険等の加入義務のある社会保険等への加入。
 
⑥以下の一般貨物自動車運送事業許可の欠格事由(概要)に該当しないこと。
上記②の通りです。

⑦許可に付する条件
 許可後一年以内に運輸事業を開始すること。
 運行管理者・整備管理者の選任届を運輸事業開始前に提出すること。


(4)法令試験

・受験できる者・・・一申請に1名のみ。申請人本人(申請者が法人である場合には、申請する事業に専従し、業務を執行する常勤役員)。
・実施方法   ・・・隔月に一度実施。申請後の翌月以降に、試験の実施予定日の前までに通知。不合格の場合には、さらに一回限り、次の法令試験を受験。
・出題の範囲(以下の法令等については、法令試験の実施日において施行されている内容から出題)
①貨物自動車運送事業法
②貨物自動車運送事業法施行規則
③貨物自動車運送事業輸送安全規則
④貨物自動車運送事業報告規則
⑤自動車事故報告規則
⑥道路運送法
⑦道路運送車両法
⑧道路交通法
⑨労働基準法
⑩自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年2月9日 労働省告示 第7号)
⑪労働安全衛生法
⑫私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
⑬下請代金支払遅延等防止法

・合格基準・・・出題数の8割以上。
設問形式
○×方式及び語群選択方式
・出題数
30問
・合格基準
出題数の8割(24問)以上の正答で合格です。
・試験時間
50分
・参考資料の持ち込み
参考資料の持ち込みはできませんが、関係法令等の条文が記載された条文集が当日配布されます。
この条文集には書き込みはできず、試験終了後に回収されます。

※なお、再試験の結果不合格だった場合、不許可の取扱いではなく、いったん申請が差し戻されます。

(5)必要書類・費用など

必要書類については、当事務所から改めてご案内いたします。
 費用は登録免許税12万円、その他必要費用についてはお見積りいたしますので、お気軽にご相談ください。