貨物利用運送業登録・許可申請なら神山和幸行政書士事務所へ

貨物利用運送業登録/許可申請について

1.貨物利用運送事業とは?

荷主の需要に応じて、荷主と有償契約を結び、荷主に対して責任を負い、貨物を運送する事業のうち、「自らの運送機関を利用し運送を行う者(実運送事業者)の行う運送を利用して」貨物を運送する事業です。
 あえて分かりやすく言うと、

①お客様と有償契約を結ぶ。
②実運送事業者と有償契約を結ぶ。
③実運送事業者の運送手段で荷物を運送する。
 という、3つの流れで事業を行うものです。

 従いまして、直接お客様の荷物を受け取って自前で目的地に届けるという実運送事業や、たんなるお客様と運送事業者との契約の取次を行って自ら責任を負わない貨物取次事業とは概念が異なります。


2.第一種貨物利用運送事業と第二種貨物利用運送事業

貨物利用運送事業には、第一種と第二種があります。
 第一種を説明するには先に第二種の説明をした方がわかりやすいです。

第二種貨物利用運送事業とは、第二種貨物利用運送事業者が、荷主に対し、集荷・幹線輸送・配達までの一貫運送責任を負って、戸口から戸口までの一貫運送サービスを提供するものです。
 第一種貨物利用運送事業は第二種貨物利用運送事業に当てはまらない利用運送事業です。
 第一種は登録制、第二種は許可制となります。


3.貨物利用運送事業の区分

第一種貨物利用運送事業(登録制)
•自動車(トラックのことです) 利用
•船舶 (内航・外航) 利用
•航空 (国内・国際) 利用
•鉄道 利用
 第二種貨物利用運送事業(許可制)
•船舶(外航・内航) 利用
•航空(国内・国際) 利用
•鉄道 利用

第二種は「自動車」はありません。幹線輸送が条件だからです。
申請上は、第二種には集配事業計画が必要なこと以外、登録と許可の違いは大きくはありませんが、第一種の登録では、申請から登録完了まで2~3か月ほどかかるに対して、第二種の許可の場合、申請から許可まで3~4か月かかります。


4.利用運送事業の要件

1.営業所
→営もうとする場所が原則として市街化調整区域でないこと。
※この要件を満たせば、マンションの一室でも問題ありません。

2.資金
①個人や設立したばかりで決算を迎えていない法人は300万円以上の資産を証明。
②通常の法人は、直近の決算書の貸借対照表内の純資産額が300万円以上あること。

3.人
5の欠格要件に該当しないこと。



5.欠格要件

どのような許認可にも同様に貨物利用運送事業の場合でも「欠格要件」があります。
第一種と第二種でおおむね次の通りです。

①1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
②第一種貨物利用運送事業の登録又は第二種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
③申請前2年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者
④法人であって、その役員(いかなる)名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)のうちに前三号のいずれかに該当する者のある場合。
⑤船舶運航事業者若しくは航空運送事業者が本邦と外国との間において行う貨物の運送(以下「国際貨物運送」という。)に係る第一種貨物利用運送事業を経営しようとする者であって、次に掲げる者に該当する場合
 イ. 日本国籍を有しないもの
 ロ. 外国又は外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの
 ハ. 外国の法令に基づいて設立された法人その他の団体
 ニ. 法人であって、イからハまでに掲げる者がその代表者であるもの又はこれらの者がその役員の3分の1以上若しくは議決権の3分の1以上を占めるもの
⑥その事業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める施設を有しない者
⑦その事業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者(基準は300万円以上となります)



6.申請時の必要書類

ここでは自動車運送の場合を紹介しますが、3.でご紹介した各運送手段の種類により若干異なります。
提出部数は、正本・副本(各運輸局に1部、支局に1部)・控えそれぞれ一通です。
ア.第一種貨物利用運送事業登録申請書
•利用する運送を行う運送事業者の概要
•保管施設の概要(施設明細書)・・・ある場合のみ

イ.利用する運送事業者との契約書の写し

ウ.定款または寄附行為および登記事項証明書
  ※定款は謄本の写しでかつ原本証明を付し、登記事項証明書は原本。

エ.最近の事業年度における貸借対照表
法人をこれから設立しようとする場合等においては、株式の引受状況を記載した書類。法人を設立したばかりで決算未到来の場合は、開始貸借対照表。

オ.役員名簿

カ.役員履歴書

キ.財産に関する調書・戸籍謄本(個人の場合)

ク.宣誓書−登録拒否要件のいずれにも該当しない旨を証する書類

ケ.事業所その他の営業所の使用権原を証する書類
  ※自己所有なら登記事項証明書、賃貸なら賃貸借契約書(写)。

コ.宣誓書−都市計画法等関係法令に抵触しないことを証する書類
 (営業所が「市街化調整区域」「第一種低層住居専用地域」の場合不可)

サ.利用運送約款設定認可申請書−標準貨物自動車利用運送約款使用の場合不要

7.登録後の手続

1.登録免許税の納入
 新規登録後に必要なのは登録免許税の納入です。

2.変更認可等
以下の変更があった場合は、「事業計画変更認可申請」あるいは「届出」が必要です。

①事業計画
①利用運送に係る運送機関の種類の変更 

※ただし、異なる種別(第二種)の利用運送を行おうとする場合は別途許可となります。
②利用運送の区域又は区間の変更
③主たる事務所の名称及び位置の変更
④営業所の名称及び位置の変更 
⑤業務の範囲の変更
⑥貨物の保管施設の変更
⑦利用する運送を行う実運送事業者又は利用運送事業者の変更

②利用運送約款
 貨物利用運送事業法第8条の規定に基づき、設定された利用運送約款に変更がある場合は、 「第一種貨物利用運送事業の利用運送約款変更認可申請」を地方運輸局長あて行って下さい。  


3.変更認可等
 毎事業年度終了後100日以内に「事業概況報告書」毎年7月10日までに「事業実績報告書」の提出が必要です。

 詳しくは、当事務所にお問い合わせください。