建設業に関わる法令の解説。神山和幸行政書士事務所

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改正業法・入契法が成立/「工期」の概念導入、著しく短い契約禁止/許可要件初の改正


 建設業法と公共工事入札契約適正化法(入契法)の一括改正案が、5日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。建設業の働き方改革の促進や建設現場の生産性向上などを目的に、工期の適正化策や限りある人材の有効活用策などの措置を講じる。6日に開く参院国土交通委員会で公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の改正案を審議、採決。近く「新・担い手3法」が成立する見込み。=2面に付帯決議全文
5日の本会議では、国交委の羽田雄一郎委員長が改正業法・入契法の趣旨と審議過程を説明した後、採択を行い、全会一致で可決した。国交委で付帯決議も採択し、全会一致で可決したことも報告された。改正法は一部を除き公布から1年6カ月以内の施行となる。
 改正建設業法では「工期」の概念を導入し、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)による「工期に関する基準」の作成・勧告や、著しく短い工期による請負契約の締結禁止など措置する。
1971年に採用した許可制度の許可要件を初めて見直した。経営能力の許可要件となっている経営業務管理責任者に関する規制を緩和。建設業経営の5年以上の経験を「個人」に求めていたが、経営管理責任体制の確保を「組織」に求める。社会保険加入対策を一層強化するため社会保険への加入を許可要件化する。建設業許可の空間期間なく円滑に事業承継できる制度を創設し、許可の事前の審査・認可を可能とする。
 技術者に関する規定を合理化する。元請の監理技術者を補佐する制度を創設。補佐する者がいる場合は監理技術者に複数現場の兼務を認める。下請の主任技術者には、一定の要件を満たすと配置を不要とする「専門工事一括管理施工制度」を創設する。
建設資材の製造業者を初めて規定した。資材を起因として不具合が生じた場合、許可行政庁は建設業者などへの指示に併せて、再発防止のため建設資材製造業者に対して改善勧告・命令できる仕組みを構築していく。
 平準化については改正入契法で措置する。入札契約適正化指針に公共発注者の取り組むべき事項として、工期の確保や施工時期の平準化を明記。公共発注者に必要な工期の確保策と施工時期の平準化策を講じることを努力義務化する。

改正建設業法・入契法のポイントは次の通り。

【建設業法】
▽中央建設業審議会が工期に関する基準を作成・勧告
▽著しく短い工期による請負契約の締結禁止
▽社会保険への加入を許可要件化
▽下請代金のうち労務費相当分は現金払い
▽工事現場の技術者に関する規制の合理化
▽資材製造者に対する改善勧告・命令
▽経営業務管理責任者に関する規制の合理化
▽事前許可の手続きにより円滑に事業承継できる仕組みの構築

【入契法】
▽公共発注者に対し工期の確保策と施工時期の平準化策を講じる努力義務化。

(建設工業新聞 6月6日より抜粋)
2019-06-07 13:06:19

建設業界の労働環境を改善/不当工期禁じる改正法が成立


  建設業界の労働環境を改善するための改正建設業法と改正入札契約適正化法が、5日の参院本会議で全会一致により可決、成立した。発注者が不当に短い工期での契約を強いることを禁じ、建設業者に社会保険加入を義務付ける。2020年末までに施行する。
 業界では作業員の長時間労働が常態化。24年度に時間外労働の上限規制が導入されるため、改善が急務となっている。
 改正法は、国の審議会が適切な工期の基準を作ると規定。違反した発注者には国や都道府県が改善を勧告し、従わなければ公表できるとした。
 建設業者に厚生年金などへの加入を義務付け、未加入なら事業許可の取得や更新を認めない。

(速報) 

 
  建設業の技術者の人材不足を解消するための施策を取る一方で、社会保険の未加入者に対しての許可は認めないという相反する政策のため、不利益を被るのは弱小建設業者ではないでしょうか?というのが感想です。具体的な改正ポイントは当ホームページの過去の記事をご確認ください。
2019-06-05 20:40:53

令和元・2・3年度競争入札参加資格審査申請(定期申請)について


令和元年10月1日から令和4年9月30日までの間に和歌山市(和歌山市企業局を含む)が発注する物品調達・業務委託関係の競争入札等への参加を希望される方を対象に、令和6月14日~7月12日までの期間について、表題の定期審査を行います。
なお詳細につきましては、来る5月27日に和歌山市ホームページに掲載予定です。

和歌山市よりお知らせ

和歌山市において、記事を更新しました。
2019-05-22 10:54:59

建設技能者の能力評価制度について


建設業許可制度については、社会保険加入対策が日々厳しいのに加えて、技能者の高齢化・人材不足が深刻な問題となっております。特に建設業許可申請を実務経験で証明しようとする場合、いわゆる「10年の壁」がありました。「10年の壁」とは国家資格がない場合、10年間の技能経験を証明するのに契約書等を10年間(1年に最低1工事)証明しなければならないのに、法定の税務書類の保存期間が7年というものが大きな壁となっております。
こうした問題も踏まえて、平成31年度から「技能者の保有資格、就業履歴」を業界横断・統一したルールで登録・蓄積する仕組み、いわゆる「建設キャリアアップシステム」の本運用が開始され、注目を集めています。
能力評価制度はレベル1から4まで4段階にて行われます。
これにより、技能者一人一人の就労実績、保有資格が閲覧できることで、優れた技術を持つ技能者を雇用する専門工事業者が選べるようになります。
また、雇用側はデータを基に技能者の能力評価基準を策定でき、技能や職歴に応じた細やかな賃金体系も検討が出来ます。
建設キャリアアップシステムについての概略はこちらをご参照ください。
このシステムで、技能者の履歴が証明できるようになれば、建設業許可申請の際の経験証明なんかもとても簡単になってくるのではと感じています。今後の運営の周知が求められます。
2019-04-09 11:56:55

2019/03/18 政府/建設業法・入契法改正案閣議決定/「工期」の概念導入、許可要件初めて見直し


政府は15日、建設業法と公共工事入札契約適正化法(入契法)の一括改正案を閣議決定した。建設産業で担い手の確保育成が課題となる中、▽建設業の働き方改革の促進▽建設現場の生産性の向上▽持続可能な事業環境の確保-の三つの観点から現行法を見直した。建設業法は「工期」の概念を導入するなど、公共工事入札で経営事項審査(経審)を義務化した1994年の改正以来25年ぶりの大幅改正となる。71年に採用した許可制度の許可要件も初めて見直される。

石井啓一国土交通相は同日の閣議後の記者会見で、「(改正案により)働き方改革が促進され、建設業が魅力ある産業へと生まれ変わり、若年層の入職者が増えるなど、建設業の担い手確保が図られることを期待している」と述べた。
一括改正案では、長時間労働の是正に向け工期の適正化などを規定。中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)が「工期に関する基準」を作成し、その実施を勧告できるようにする。著しく短い工期による請負契約の締結を禁止。違反する発注者への勧告、公表といった仕組みを整える。
違反者が建設業者の場合は指示、営業停止などの監督処分を行う。建設業者は工期を含む見積書を交付。請負契約を結ぶ際、工事作業を行わない日や時間帯を定める時は書面に記載する。

平準化については入契法で措置する。入札契約適正化指針で公共発注者の取り組むべき事項に、工期の確保や施工時期の平準化を明記。公共発注者に必要な工期の確保策と施工時期の平準化策を講じることを努力義務とする。これにより地方自治体に対し、指針に基づき平準化を要請することが可能となる。
建設業許可での経営能力の要件となっている経営業務管理責任者に関する規制を緩和する。建設業の経営で過去5年以上の経験者が役員にいることを求める建設業許可要件を廃止。組織全体で適切な経営管理責任体制を確保することに改める。社会保険加入対策の強化の一環で許可基準を見直し、社会保険への加入を要件に入れる。
技術者に関する規定では、元請の監理技術者を補佐する制度を創設。補佐する者がいる場合は監理技術者に複数現場の兼務を認める。併せて技術検定制度を見直し、学科と実地を加味した第1次検定と第2次検定に再編成。第1次の合格者に「技士補」の称号を付与し、監理技術者を補佐する者に位置付ける。
下請の主任技術者では、一定未満の工事金額などの要件を満たすと配置を不要とする「専門工事一括管理施工制度」を創設。対象は施工技術が画一的で、技術上の管理の効率化を図る必要がある工種に限定する。

一括改正案は成立後、公布から1年6カ月以内に施行。見直された技術検定制度は2年以内に施行する。
自民党は現在、公共工事品質確保促進法改正案を議論中。「新・担い手3法」の今国会での成立を目指した動きが着実に前進している。
建設業法および公共工事入札契約適正化法(入契法)の一部を改正する法律案要綱は次の通り。

【建設業法】
▽許可基準の見直し=建設業の許可基準のうち、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者を置くこととする基準を、建設業にかかる経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合することに改める
▽許可を受けた地位の承継=〈1〉建設業の譲渡および譲り受け、合併および分割の際に、あらかじめ国土交通大臣等の許可を受けたときは、譲り受け人等は建設業の許可を受けた地位を継承する〈2〉建設業者が死亡した場合、国土交通大臣等の許可を受けたときは、相続人は建設業の許可を受けた地位を継承する
▽請負契約における書面の記載事項の追加=建設工事の請負契約における書面の記載事項に、工事を施工しない日または時間帯の定めに関する事項等を追加する
▽著しく短い工期の禁止=〈1〉注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない〈2〉国土交通大臣等は、発注者が〈1〉に違反した場合、特に必要があると認めるときは、当該発注者に対して勧告することができるとし、その者が該当勧告に従わないときは、その旨を公表することができる
▽工期等に影響をおよぼす事象に関する情報の提供=注文者は、契約を締結するまでに、建設業者に対して、その発生のおそれがあると認めるときは、工期または請負代金の額に影響をおよぼす事象に関する情報を提供しなければならない
▽下請代金の支払い方法=元請負人は、下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない
▽不利益な取り扱いの禁止=元請負人は、その違反行為について下請負人が国土交通大臣等に通報したことを理由として、当該下請負人に対して、取り引きの停止その他の不利益な取り扱いをしてはならない
▽建設工事従事者の知識および技術または技能の向上=建設工事に従事する者は、建設工事を適正に実施するために必要な知識および技術または技能の向上に努めなければならない
▽監理技術者の専任義務の緩和=工事現場に監理技術者を専任で置くべき建設工事について、当該監理技術者の職務を補佐する者としてこれに準ずる者を専任で置く場合には、当該監理技術者の専任を要しない
▽主任技術者の配置義務の合理化=特定の専門工事につき、元請負人が工事現場に専任で置く主任技術者が、下請負人が置くべき主任技術者の職務を併せて行うことができるとし、この場合において、当該下請負人は、主任技術者の配置を要しない
▽技術検定制度の見直し=技術検定を第1次検定および第2次検定に分け、国土交通大臣はそれぞれの検定の合格者に合格証明書を交付するとともに、合格者は政令で定める称号を称することができる
▽復旧工事の円滑かつ迅速な実施を図るための建設業者団体の責務=建設業者団体は、災害が発生した場合において復旧工事の円滑かつ迅速な実施が図られるよう、建設業者と関係機関との連絡調整その他の必要な措置を講ずるよう努める
▽工期に関する基準の作成等=中央建設業審議会は、建設工事の工期に関する基準を作成し、その実施を勧告することができる
▽標識の掲示義務の緩和=建設業者が工事現場に標識を掲げなければならない義務について、発注者から直接請け負った建設工事のみを対象とするよう改める
▽建設資材製造業者等に対する勧告および命令等=〈1〉国土交通大臣等は、建設業者等に指示をする場合、当該指示にかかる違反行為が建設資材に起因するものであると認めるときは、これを引き渡した建設資材製造業者等に対しても、再発防止のため適当な措置をとるべきことを勧告することができる〈2〉国土交通大臣等は、〈1〉の勧告を受けた者が該当勧告に従わないときは、その旨を公表し、または当該勧告にかかる措置をとるべきことを命ずることができる
▽その他所要の改正を行う

【入契法】
▽受注者の違反行為に関する事実の通知=各省各庁の長等は、公共工事の受注者である建設業者が著しく短い期間を工期とする下請契約を締結していると疑うに足りる事実があるときは、国土交通大臣等に対し、その事実を通知しなければならない
▽適正化指針の記載事項の追加=公共工事の施工に必要な工期の確保および地域における公共工事の施工の時期の平準化を図るための方策に関する事項を、公共工事の入札および契約の適正化にかかる指針の記載事項として追加する

▽その他所要の改正を行う
【付則】
▽この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する
▽所要の経過措置を定める
▽この法律による改正後の建設業法の施行状況に関する検討規定を設ける
▽その他所要の改正を行う。

(建設工業新聞 3月18日より)
2019-03-18 21:11:21

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