建設業に関わる法令の解説。神山和幸行政書士事務所

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国土交通省が検討する「専門工事共同施工制度」とは?


現在、国土交通省では、 上位下請企業の主任技術者が下位下請企業の主任技術者の業務範囲をカバーすることで下位下請企業の 主任技術者の配置を不要とできる「下請共同施工制度(仮称)」を検討しています。
建設業許可業者には建設工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる、主任技術者等の設置が義務付けられています。専門工事共同施工制度は、今後高齢化によって予測される技術者不足への対応として、上位下請企業の主任技術者が下位下請企業の主任技術者の業務範囲をカバーすることで下位下請企業の主任技術者の配置を不要とできる制度です。

【共通】
 ○ 適正な施工の確保を図るためには、現場における技術者の役割が極めて重要であることに変わりはないが、建設生産システムが大きく変化する中、生産性の向上や働き方改革を図る観点から も、今後技術者不足が懸念される今、技術者配置に関する制度について、適正施工を損なわずに その合理化を図ることが可能な部分があるのではないか。
○ ただし、合理化を図る際にも、不良不適格者が容易に参入することの無いよう、慎重かつ限定的 に実施していくべきではないか。

下請企業の主任技術者配置要件の合理化(イメージ)

【下請企業の技術者配置要件の合理化について】
 ○ 下請の重層化の中には技能者の不足分を賄うために行われているものがあるが、そうした場合も全ての建設業者は技術者の配置が必要。このうち一定の限られた工種の中で行われているものに ついては、施工の管理が限られた範囲にとどまるため、上位下請企業の主任技術者が行う施工管 理の下で下位下請企業も含め適切に作業を進めていくことで適正な施工は確保できる場合がある のではないか。
⇒ こうした場合には下請企業の主任技術者の配置を不要とすることが可能ではないか。

制度設計のポイント(案)
○一定の条件を満たす場合に選択肢として用意するもので、この制度の利用は強制しない。
○適切な施工が確保されることを確実にするための方策を設ける。(配置される上位下請企業の主任技術者は専任とするなど)
○制度への参加企業について、許可業者に限るなど一定の要件を設けるとともに、工事の途中段階での追加が可能なものとする。
○主任技術者による施工管理の範囲が不明確となることを防ぐとともに、重層下請構造を改善するため、本制度を適用した場合には更なる下請契約の締結は禁止する。
2018-10-26 17:32:15

国交省/業法改正へ個別課題提示/社保加入を許可要件に、適正工期設定の取り組み推進


【建設工業新聞 3月 20日 1面記事掲載】
国土交通省は19日、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)の下に設置している合同の基本問題小委員会を開き、建設業法の改正に向けた個別課題と検討の視点を示した。担い手の確保・育成の観点から、社会保険未加入業者の建設業許可・更新を認めない仕組みや技能労働者の制度的位置付けを提示。働き方改革推進に向けた受発注者双方の取り組みも論点に挙げた。
 建設業の社会保険加入促進の取り組みは、技能労働者の処遇改善による担い手確保と、適正に保険料を負担する企業による公正・健全な競争環境の構築が目的。国交省は12年度に社会保険未加入対策を開始した。加入率は着実に上昇しているが、2月末時点で建設業許可業者の3保険(雇用、健康、厚生年金)の加入率(推計値)は92・3%と、なお未加入企業が存在している。
 国交省は、法令で加入義務がある未加入企業を建設業許可業者から排除するため、社会保険加入を許可要件化する方向性を提示した。現行法で建設業許可が不要な500万円未満の軽微な建設工事に流れるといった「加入逃れ」を防ぐため、発注者に対し下請を含め加入企業に限定するよう要請するなどの対応を検討。加入の原資となる法定福利費相当分を含め、適正な請負金額での下請契約の推進なども論点に挙げた。
 現行法で位置付けのない技能労働者について、建設現場で技能者の果たすべき役割を踏まえ、制度的位置付けを検討する方針も示した。将来へのキャリアパスも意識し▽技能・経験を有する技能者配置による建設工事の品質確保▽技能者の処遇改善による担い手の確保▽技能者の育成を通じた生産性向上-の三つを検討の視点に提示した。
 政府は昨年8月、建設業への時間外労働の罰則付き上限規制の適用に向けた取り組みの一つとして、官民の建設工事を対象とする「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」を策定した。一方、建設業団体では働き方改革に向けた自主的な取り組みが進んでいる。
こうした状況を踏まえ、国交省は「適正な工期設定ガイドライン」に記載されている受発注者双方の取り組みを法令や約款などで制度化することで、働き方改革の一層の推進を図る考えを示した。主な取り組みとして▽受注者(元請)は違法な長時間労働につながる「工期のダンピング」を行わない▽下請契約も長時間労働の是正や週休2日の確保などを配慮した適正な工期を設定▽下請代金はできる限り現金払いを実施▽発注者は施工条件などを明確化し適正な工期で請負契約を締結▽予定工期での工事完了が困難な場合は受発注者双方協議の上で適切に工期変更-などを例示した。
2018-03-20 12:28:28

国交省/技術検定2級学科試験、全種目で年2回実施/受験機会広げ担い手確保


【建設工業新聞 10月 25日 1面記事掲載】
国土交通省は24日、建設業法に基づく施工管理技術検定の2級学科試験を、18年度からすべての種目で年2回実施すると発表した。17年度に「土木」「建築」の2種目で先行実施した結果、高校生(17、18歳)から受験できる「学科のみ」試験の受験予定者が増加。担い手確保の観点からも効果があるとみて、他の種目にも拡大することにした。試験日や試験地など詳細は年内に官報で告示する。

国交省は若年層の受験者が多い2級学科試験について、16年度から高校(指定学科)3年生・卒業生が対象の「学科のみ」試験を17歳で受験できるよう要件を緩和。この結果、すべての種目で受験者数が前年度を上回り、工業高校生の受験・合格者数も増加傾向にある。

17年度からは「土木」種目のうち「土木」と、「建築」種目のうち「建築」の2種別で試験を年に2回実施。試験日は土木が10月と18年2月、建築が6月と11月で、これにより高校在学中に各種別の学科試験を4回受験できる。

2回目の申し込みを締め切った「建築」は、「学科のみ」試験の受験予定者数が1万1639人と過去最多で、前年度の1・5倍に増えた。若年層の受験予定者が増加しており、国交省は「年2回化で期待していた効果を発揮している」(建設業課)とみている。

国交省の有識者会議「適正な施工確保のための技術者制度検討会」が6月にまとめた報告書には、若年世代にとって資格取得が就職などのインセンティブになるとし、2級学科試験の年2回化を他の種目でもできる限り早期に実施することが望ましいと提言。先行実施した種目での効果や有識者会議の提言を踏まえ、同省は18年度から全6種目で年2回試験を実施することを決めた。

18年度の受験手数料は据え置く。ただ、年2回の実施には追加的な費用も発生することから、効率的な実施に努めつつ、受験者数などを踏まえた受験手数料の見直しも検討していく予定だ。新設種目の「電気通信工事」は、試験実施時期や試験実施機関が未定のため、2級学科試験の年2回実施も未定となっている。

技術検定は、監理技術者や主任技術者になれる国家資格「施工管理技士」を取得するための試験。土木、建築、管工事、電気工事、建設機械、造園の6種目それぞれに1級と2級があり、学科試験と実地試験で構成する。近年は受験者数が減少。受験者・合格者の平均年齢も上昇傾向にあるため、国交省は求める技術力の水準は維持しつつ、若年層の受験機会の拡大や受験要件の緩和を進めている。
2017-10-25 19:39:19

国交省/登録基幹技能者を主任技術者要件に認定/省令改正案、認知度向上・普及へ


【建設工業新聞 10月 24日 1面記事掲載】
国土交通省は建設業法で定める主任技術者の要件に登録基幹技能者を位置付ける。講習の受講要件が主任技術者の要件を満たし、建設業許可の種類に応じて国交相が認めた資格を主任技術者要件として認定する。こうした規定などを盛り込んだ省令改正案を23日に公表した。11月5日まで意見を募集し、同上旬に公布・施行した後、具体的に認定する登録基幹技能者を決める。

主任技術者になるには、「施工管理技士」などの国家資格や建設業法で登録された民間資格の取得と、最終学歴に応じた実務経験年数が必要になる。

国交省の有識者会議「適正な施工確保のための技術者制度検討会」が6月にまとめた報告書には、相応の技術力が取得要件となっている民間資格も主任技術者要件に認定していくことが妥当とし、認定基準を明記。基準を満たす登録基幹技能者を、一式工事以外で主任技術者要件に認定する方向性が示された。

これを受け国交省は、高度な技能を持つ登録基幹技能者を、対象とする許可業種に応じた主任技術者に認定する。具体的な対象資格は省令の施行後に詰める。

登録基幹技能者講習の受講要件は「基幹的な役割を担う職種で10年以上の実務経験と3年以上の職長経験があり、講習実施機関が定める資格(最上位の技能者資格など)の保有」と規定されている。この受講要件で、主任技術者要件を満たしているものは33資格のうち29資格。残り4資格は、主任技術者要件を満たすよう規定や運用を変更した上で29資格と同様に認める。

現在、技能者は10年以上の実務経験があれば主任技術者になれる。国交省は登録基幹技能者を主任技術者要件に明確に認定することでさらなる認知度向上と普及促進につながり、主任技術者を配置するたびに行う実務経験などの要件確認の手間も軽減できると期待している。

登録基幹技能者の資格保有者は16年3月末時点で33資格の計5万1660人。資格保有者が拡大する中、国交省直轄工事では総合評価方式の入札で資格保有者を配置する企業に加点する措置が取り入れられたり、ゼネコン各社が優良職長制度の中で手当を支給する対象にしたりするなど評価が広がっている。

省令改正案には登録基幹技能者に関する規定のほか、建設業法に基づく技術検定で、電気通信工事の種目新設などに伴う規定も提示。技術検定については告示案も示した。


2017-10-24 20:13:50

建設業許可申請における「経営業務の管理責任者」要件の緩和(改正)について


平成29年6月1日に施行予定であった「建設業法第七条第一号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者を定める件及び建設業許可事務ガイドラインの改正」が延期されました。
今回の改正の目玉は、「他業種経験等の「7年」が「6年」に短縮」されることです。
その他、経営業務の管理責任者の経験の拡大など、建設業許可を取得する上で、重要な要件である経営業務の管理責任者要件が緩和されることは大きな意義があるものと思います。一日も早い施行が望まれます。

今回の改正については以下の通りです。
① 経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって資金調達、技術者等配置、契約締 結等の業務全般に従事した経験(補佐経験)の一部拡大
 経営業務管理責任者要件として認められる経験のひとつとして「経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって資金調達、技術者等配置、契約締結等の業務全般に従事した経験(補佐経験)」が位置付けられており、この「準ずる地位」については、現在「業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にある者(法人の場合)が位置付けられているところ。この点 組合理事、支店長、営業所長又は支配人に次ぐ職制上の地位にある者」における経験も補佐経験として認めることとする。
② 他業種における執行役員経験の追加
 経営業務管理責任者要件として認められる経験のひとつとして「経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合 的に管理した経験」が位置付けられている。この点、現在は「許可を受けようとする建設業に関する経験に限られているところ、「許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する経験」についても認めることとする。
③ 3種類以上の合算評価の実施
 経営業務管理責任者要件として認められる経験(現行4種類)については、現在一部種類について2種類までの合算評価が可能とされているところ。この点 全ての種類に拡大するとともに、経験の種類の数の限定を設けず合算評価することを可能とする。
④ 他業種経験等の「7年」を「6年」に短縮
 経営業務管理責任者要件として認められる経験のうち 「許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する経営業務の管理責任者」としての経験については 現在7年以上要することとしているが、これを6年に短縮することとする。あわせて、①及び②の「経験及び経営業務を補佐した経験」についても、同様に6年とする。

こちらでは、さらに詳しく解説しております。

なお、①②いずれも、それぞれ「6年以上」の経験が必要であることに注意してください。
2017-06-01 20:45:49

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