建設業に関わる法令の解説。神山和幸行政書士事務所

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国土利用計画法について


国土利用計画法は、あまりなじみのない法律かもしれません。
簡単に申し上げると、以下のことについて定めております。

1.届け出を必要とする土地取引・・・一定の面積以上の土地取引を行うときは届出を必要とする。
2.土地取引の許可制度・・・都道府県の定める一定の区域内での土地取引は事前に許可が必要とする。

なぜこのような規制が必要なのかというと、こうした規制を加えることで、土地の投機的取引や地価の高騰を抑制し、乱開発などを未然に防止するためなのです。

この法律は土地取引を抑制するための法律です。「都市計画法」は土地開発を抑制するための法律です。従って、国土利用計画法の規制(土地取引)→都市開発法の規制(開発行為)→建築基準法(建物建設)という、3段階の規制がわが国には存在していることになります。農地法はこれらの法律の、いわば「特別法」の位置づけとなっております。

ともあれ、都市計画法で定められた「都市計画区域」が、開発行為規制でも適用されています。
国土利用計画法についての解説。神山和幸行政書士事務所
1.届け出を必要とする土地取引
 一定面積以上の土地取引を行うときは、その取引を事前又は事後に届け出なければなりません。左の表(クリックしてください)の通り、都市計画区域内あるいは外でそれぞれ一定面積が定められており(上段)、この広さ以上の土地について、該当する取引について(中段)は事後届け出が必要です。また、個々の取引面積は小さくても、合計していくと一定面積となる(一団の土地)ような売買形態をとる場合にも届け出が必要となります。
 さらに、地価が上昇、または上昇する恐れのある区域は「中止区域」や「監視区域」に指定されることがあり、この区域では事前に届け出なければならず、届け出後一定の期間は契約ができません。

2.土地取引の許可制
「規制区域」内の土地について、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、売買の当事者は事前に都道府県知事の許可が必要となります。この規制区域は、都道府県知事が指定するものですが、「大きな利益をあてにした土地の投機的取引が相当範囲にわたって集中して行われ、地価が急激に上昇、またはその恐れ」があると認められる区域が指定されます。なお、これまでこの規制区域が指定された例はありません。
2014-09-15 15:34:30

都市計画法


都市計画法による規制を改めてご紹介します。 (2014年現在)都市計画区域の区分イメージ

都市計画法に基づいて、都道府県(以下便宜上「県等」とします)は、県等内にあるそのエリアごとの特性等を考慮して分類し、その分類されたエリアの用途を指定しています。「○○区域」とか「××地域」などと指定しているのです。

1.都市計画区域と区域区分
まず、大まかに「都市計画区域」「準都市計画区域」「都市計画区域・準都市計画区域ではない区域」の3つに大別し、「都市計画区域」ではさらに区域が指定されています。

2.都市計画区域
都市計画区域では、市街化区域市街化調整区域に線引きされている区域と、線引きされていない区域の2つに分かれます。
 市街化区域とは、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を行うために指定された区域であり、さらに用途地域という細かい分類がなされます。
 市街化調整区域は市街化を抑制すべしと指定された区域です。現状維持が目標ですので、原則として建物は建築できません。この区域内の農地が原則として他に転用できないというのはこの規制が働くからです。

用途地域一覧表

3.地域地区

 区域による区分けのさらに細かい区分けについてです。
 市街化区域はさらに12種類の地域に分類されています。
 簡単に申し上げれば、住居系7種類、商業系2種類、工業系3種類です。
 風営法では、風俗営業を営むことができる地域は、4つある住居専用地域以外の地域であるとなっておりますが、この規制もこの都市計画法に基づく用途地域が関係しているのです。

 
 この用途地域のほかに、「防火地域・準防火地域」の地域分けがなされております。


4.開発許可制度
 一定以上の開発行為を行おうとする場合は、原則として、都道府県知事の許可が必要となります。開発行為とは、区画形質の変更をさします。区画形質の変更とは、農地転用の場合と同様に以下の通りとなります。

(区画形質の変更)
区画⇒道路・水路等の公共施設の新設・変更・または廃止
形⇒ 切土・盛土により土地の高さを変更
質⇒宅地以外の土地(農地・雑種地)を宅地に変更

なお、一定の規模未満の範囲内であれば、開発行為に許可は不要です。

(許可が不要な開発行為の範囲)
市街化区域・・・1000㎡未満
市街化調整区域・・・なし
非線引き都市計画区域・準都市計画区域・・・3000㎡未満
上記以外の区域・・・1ha未満

なお、上記基準は県等の規制で引下げ可能な場合があります。
さらに、以下の例外があります。
①農林漁業関係の建築物を建てるためであれば開発行為の許可が不要。
②鉄道施設や図書館など公益上必要な一定の建築物及び公共施設等の開発行為については全区域で許可が不要。


市街化調整区域での農地転用の説明
5.市街化調整区域での農地転用

農地転用時にも、都市計画法に基づき指定される「市街化区域」と「市街化調整区域」とで取り扱いが異なります。

◎市街化区域とは?
・すでに市街地を形成している区域
・概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域

◎市街化調整区域とは?
・市街化を抑制すべき区域
図1

「市街化区域」と「市街化調整区域」はいずれも都市計画法に基づき、都道府県が線引きをします。市街化区域内での農地は転用許可は不要(事前届出のみ)ですが、市街化調整区域においては転用許可が必要となります。

・市街化調整区域内の農地で、「おおむね10ヘクタール以上の集団的に存在する農地であって、営農に適したものである農地」か、あるいは「土地改良事業等の事業の工事が完了してから8年以内の農地」は甲種農地に区分されることがあり、それ以外の農地よりも転用条件が厳しくなります。
・農用地区域の指定は市街化区域ではしてはならないことになっているので、市街化調整区域内に存在することになります。

2014-09-14 00:00:00

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